アクリル絵の具は乾くと固まり、水では落ちなくなります。
こうなると筆先が開いたり、変なクセがついたりして使い物にならなくなります。
使い終わった筆は早めに水に浸けるか、洗いましょう。
ここではアクリル絵の具を使った後の筆の洗い方を説明します。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.洗う以前の注意喚起 |
それでは個別に解説していきます。
1.洗う以前の注意喚起
アクリル絵の具は亜鉛やカドミウムなどの毒を含む色があるので注意が必要です。
そのまま下水に流すと下水処理場や川や海に負担をかけることになるので、古布や新聞紙などで拭ってから筆洗い器に入れるようにしましょう。
2.使って10分以上放置するなら
アクリル絵の具は10分ほどで固まり始めるので、それ以上放置するなら水に浸けるか洗うようにしましょう。
そうしないと固まって落ちなくなります。
仮に落とせたように見えても、毛先が広がってしまうこともあります。
とくに描くことに集中しているときは注意が必要です。
ただし絵の具がついた筆をそのまま筆洗器に浸けるのではなく、ティッシュか古布、古新聞などで拭ったほうが環境に負荷をかけにくいし、筆にも優しくなります。
付いた絵の具を少しでも減らして、水を入れた筆洗器に浸けて、中で揺すってさらに絵の具を落とします。
絵の具が付いた状態で筆洗器に突っ込んだまま何時間も放置すると、水中なのに筆の先端が固まり始めるというか、変なクセが付くこともあるので油断してはいけません。
3.天然毛の筆について
天然毛(獣毛)の筆はさらに洗う頻度を高めましょう。
使い終えたら、すぐ絵の具を落とすようにしないと毛先が広がったり、毛が切れたりして傷んでしまいます。
初心者の方はアクリル絵の具に慣れるまではナイロン筆の一択で十分のはずです。
気をつけていても、つい10分間ほど放置してしまうというのは十分ありうるので、高価な天然毛の筆は慣れてから購入を検討してはいかがでしょうか。
4.天然毛に石鹸はNG
天然毛(獣毛)の筆は素材自体に油分を含んでいるので、石鹸などでゴシゴシ洗うのは止めましょう。
ぬるま湯で優しく洗うのがオススメです。
5.面相筆について
面相筆などの細い筆も洗う頻度を高めましょう。
アクリル絵の具が付いた状態で放置する時間は極力短くすることで寿命を伸ばせます。
太い筆に持ち替えたりするとき、絵の具が付いた状態で面相筆を放置しないようにしましょう。
6.洗うときは根本まで
洗うときは筆の根本(口金の近く)まで揉むようにして洗います。
根本に絵の具が残っていると蓄積し、穂先が開いてくるなどして寿命が早まってしまいます。
石鹸や液体石鹸などで洗うのもいいですが、面相筆など細い筆はぬるま湯で洗うとさらに絵の具が落ちやくなります。
7.洗った後の干し方
洗い終えたら古布などで水分をしっかり取り、毛先を整え、陰干しします。
筆先を下にして干すか、上向きで干すか2とおりありますが、筆者は上向き派です。
上向きで干したほうが面相筆の寿命が長いような気がします。
下向きで干す場合、書道の筆は軸のお尻に紐の輪がありますが、絵画用の筆にはそれがないのがほとんどです。
ぶら下げるのが難しい場合は、毛の部分が床などに付かないように浮かせて水平に置きましょう。
8.毛先が開いてしまったら
こまめに洗っていたのに毛先が開いてきたという場合は寿命と諦めず、アクリル絵の具用クリーナー(筆用クリーナー)または剥離剤を使えば、復活する場合があります。
ちなみにアクリル絵の具用と油彩用は別物なのでしっかり確認して買うようにしましょう。
9.毛先に変なクセがついてしまったら
ナイロン毛の毛先が曲がったり、割れたりして変な癖がついた場合は、熱湯に浸けると復活する場合があります。
天然毛に熱湯はNGですので、ぬるま湯よりやや熱いくらいにしましょう。
補足
初心者の方がアクリル絵の具で天然毛の筆を使うのはよっぽどのこだわりがない限り、オススメしません。
アクリル絵の具の使い方にかなり慣れてからでも十分のはずです。
面相筆はいったんアクリル絵の具を付けたら、そのまま他の筆に持ち替えたりせず、絵の具を拭って筆洗器に入れるというクセをつけましょう。
ちょっとだけのつもりが、あっという間に毛先が開くなどして使い物にならなくなりますので油断大敵です。
(以上です)