画材・道具

アクリル絵の具、初心者用の道具セット

2022年4月1日

絵の具セット1

アクリル絵の具を始めてみたいと思ったら、まず押さえておくべきポイントなどをお伝えしたいと思います。
入門用セットだけで描けなくもないですが、さらにあると便利なもの、道具の使い方なども解説します。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.アクリル絵の具とアクリルガッシュは違う
2.アクリル絵の具セットの中身(例)
3.追加で買ったほうがいいもの

 

それでは個別に解説していきます。

1.アクリル絵の具とアクリルガッシュは違う

アクリル絵の具を始めようと思ったのに、買ったのはアクリルガッシュだったとはよく聞く間違いです。
ラベルに「GOUACHE」と書かれていたら、ガッシュです。

それぞれの特徴を書きます。

①アクリル絵の具
透明色と不透明色があります。
透明色は下の色が透けるのでグレーズ(グレージング)という重ね塗り技法が使えるのが特長です。
これは薄く溶いた色を重ねることでカラーフィルムを重ねたような光学的な混色の効果が出ます。
最初から混ぜた物理的な混色では出せない色つやと深みのある色になります。
下の色が透ける性格上、透明色は色ムラができやすく、広い面積を平塗り(ベタ塗り)するときに塗りムラを無くすために塗りとドライヤーによる乾かしとを交互にやる必要があります。

 

②アクリルガッシュ
すべて不透明色です。
アクリル絵の具の色ムラができやすい性質を改善するために日本で生まれました。
平塗り(ベタ塗り)のときに色ムラができにくいので、イラストやデザインの現場でよく使われています。
水で多めに薄めても不透明なので、下の色を活かすグレーズはキレイにはできません。
耐久性、耐光性に劣るため、デザインなどの一時的な使用向きです。
長期保存したり、誰かにプレゼントしたりすることを考えているなら、別の絵の具のほうがいいでしょう。

 

③共通する特徴
ババッと列挙します。

発色がいい、
乾くと耐水性、
10分間くらいで乾く、
乾いたら水では落ちない、
とくに筆は放置したら毛先が開いて使えなくなる、
乾いたら耐水性なので重ね塗りが簡単(下の色が滲んで混ざることがない)、
石や木、布など色んな所に描ける、
乾いたら耐水性なので屋外のものにも描ける、
チューブのキャップを締め忘れると中まで固まって使えなくなる、
水彩絵の具みたいな淡い塗り方も油絵の具みたいな盛り上げた塗り方もできる
……などです。

 

2.アクリル絵の具セットの中身(例)

絵の具セット2

 

①ネット通販で見つけたセットの例1
→6,000円弱くらい(送料別)

アクリル絵の具 x48色(12ml) 、
木製の卓上イーゼル x1個 、
ボールドキャンバス x3枚 、
張りキャンバス x2枚 、
カラーホイール x1個 、
パレット x1個 、
ペイントブラシx15本 、
平筆x1本 、
ペインティングナイフx5本 、
アクリル絵の具用の画用紙。

 

用語解説をします。

イーゼル……画架ともいいます。絵を立てかけるものです。

ボールドキャンパス……ボール紙や板にキャンバス地の布を貼り付けたものです。

張りキャンバス……キャンバス地の布を木枠に張ったものです。油絵でよく見るやつです。

カラーホイール……よく分かりませんが、色相環を元に混色のやり方を説明した円形のマニュアルみたいなものかと思います。
色相環とか混色は別記事で解説しています)

パレット……アクリル絵の具を水で溶いたり、混色したりするためのものです。

ペイントブラシ……のことです。
丸筆、平筆、フィルバート(丸平筆)、ファン(扇筆)、ダガー(刀型筆)など色んなのがセットされてるみたいです。

平筆……正確には刷毛ですね。平筆は上記のペイントブラシのセットの中に入っていました。

ペインティングナイフ……コテです。コンクリートを平らに伸ばす道具を小さくしたものです。絵の具を伸ばしたり、油絵みたいに盛り上げたりするときに使います。筆で盛り上げるのは難しいので、ゴッホみたいな厚塗りをしたいときなどに便利です。

アクリル絵の具用の画用紙……水彩紙のことかと思われます。画用紙の一種で、水溶性の絵の具に適した紙ではないでしょうか。

 

②ネット通販で見つけたセットの例2
→6,000円ちょっと(送料別)

アクリル絵の具×22色(22ml)、
木製の卓上イーゼル×1個、
キャンバスボード×6枚、
ペイントブラシ×10本、
ペインティングナイフ×5本、
パレット×1個、
アクリル絵具用紙×10枚、
カラーホイール×1個、
マスキングテープ×1巻。

 

用語解説です(上記と同じものは省略します)。

キャンバスボード……板にキャンバス地の布を貼り付けたものです。

マスキングテープ……仮止めできるテープです。
塗りたくない部分を隠すのに使います。
例えば水平線などの直線をフリーハンドで描くのは大変ですが、塗りたくない方をコレで隠せば、気楽に塗れます。
キャンバスの4辺を5ミリほど内側までこれでカバーしておいて、完成後に剥がせば額縁代わりになります。

 

3.追加で買ったほうがいいもの

う~ん、これだけセットになってたら、あまり要らないかも。

あえて言うなら、スポイトかな。
絵の具を水で溶くとき、微妙なさじ加減ができるので便利です。

あと水張り用の木製パネルは必須と言いたいですが、キャンバスボードを使い終わってから考えればいいと思います。

あ! 筆洗い器が入ってない!

これ絶対に要ります。筆洗い用のミニバケツです。
100均でも買えます。
2つか3つに分かれているものがオススメ。
1つは筆洗い用、もう1つは絵の具を水で溶くときの補水用として使います。

後は使いながら、おいおい買い足していけばいいと思います。
形から入るのもいいですが、まずは描きましょう~。

 

補足
セットに関しては、こういうアイテムが必要なんだと頭の片隅にでも入れといてください。
筆やペインティングナイフはこんなたくさん要らないだろとか、使いこなせないだろとか思わなくもないですが、人それぞれですので。

その一方で、お得な面もあります。
卓上イーゼルだけで3,000円前後はしますので(最初は要らないという意見もありますけど)、全部をバラで買うのに比べたら安い気がします。

 

(以上です)

 

-画材・道具

© 2024 アクリル絵の具で自由画人