風景を描こうと思ったら外せないのが山などの遠くにあるものですよね。
山の大きさや色、山肌の塗り方などで悩んだことはありませんか?
基本を知っておけば、いろんな山に対応できるので便利ですよ。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.山を描く簡単なコツ |
それでは個別に解説していきます。
1.山を描く簡単なコツ
忙しい人むけに、ササッと読める簡単なコツをまず書きます。
1)水平線の確認
2)山の高さ
3)描き込み具合
4)山が主役か脇役か
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※もう少し詳しく知りたい方や、コツの元となった理由などを知りたい方は引き続き読んでみてください。
2.山の色
① 近くの山
近い山は山の色というより木々の色になります。
紅葉や枯れ葉の季節では赤や黄色、茶色などが多くなりますし、青葉の季節なら緑が中心となります。
さらに太陽の位置によっても調整しましょう。
昼間の太陽が高いときに南方向の山を見ると逆光になり、濃いめの色または紺色に近い色になっているはずです。
太陽が横にあり、山の南斜面と北側の斜面が同時に見えるときは北側を濃くして、南側は尾根や稜線を明るめにして、沢や谷などの凹んでいる部分は濃いめにするなどしてメリハリをつけます。
②遠くの山
空気の層の厚みで青くなります。
空が青くなるのと同じ原理です。
遠くの山ほど青みがかった薄いグレーになり、ものすごく遠くなるとすぐ上の空の色と区別がつきにくくなります。
近い山みたいに尾根と沢の塗り分けは細かくしなくてよくなります。
色の差も少なくなりますし、ザザッとした粗いタッチで十分です。
あまり細かく描き込んでしまうと近くの山っぽくなるので、テキトーに切り上げましょう。
③朝焼け、夕暮れ、雲りの日の山
上記の①と②は晴天の昼間をイメージしていますが、朝夕や曇りの日では当然色が違ってきます。
朝夕はグレーっぽいピンクや、赤紫の薄い色を混ぜると太陽が高くないことを表現できます。
また遠くにいくほど白っぽくすることで距離感を表現できます。
3.山の大きさ
水平距離と高さで表現します。遠くにある山ほど低く見えます。
基本的には遠くの山ほど青く、低くなります。
当たり前ですが、近くの山は高さがあるので画面上でも大きく描くことになります。
遠くの山は地平線との距離が近くなり、輪郭線はぼんやりとしてきます。
逆にいうと、青い山でぼんやりとした輪郭なのに地平線と離れた高さがあると、鑑賞者はかなり高い山なんだなと認識します。
よくある1,000~1,500mくらいの山は上記が当てはまります。
ところが3,000m級の山になるとすごく遠くにあるのに大きいし、岩と雪でクッキリしているということもあるので鑑賞者は混乱しがちになります。
手前に大きさの分かるもの、例えば家や人、花、川などを描いて比較しやすくなると観る人も理解しやすくなって安心します。
4.山の形、種類、塗り方
①山の形
単独型と連続型があります。
単独型は富士山みたいな円錐形と、頂上が丸い低山があります。
連続型は遠くにあって連なる山々というイメージです。
②山の種類
木々に覆われた山と、険しい岩山があります。
禿山というのは自然破壊で木々が枯れたものを指すようです。
乾燥した土地にある岩と石がゴロゴロした不毛の地みたいな茶色い山は日本では珍しいかもですね。
エベレストやアルプスなどの山全体が岩となっているものは頂上や連なる峰がノコギリみたいに鋭くなってします。
③山の塗り方
近くの山は、山というより木々を描くイメージになります。
濃いめの緑色でザッと塗って、その上に太陽の方向を意識しながら明るい緑などを細かく乗せていくと立体感も出ます。
遠くの山は細かい描写はせず、青みがかった薄い色でザッと塗ります。
凹凸の色の差も少なめにしましょう。
あまり時間をかけずにササッと仕上げたほうが遠さを表現できます。
岩山は直線を多用してガッガッと塗ります。
ペインティングナイフのヘリで塗るイメージです。
ペインティングナイフを持っていない方は平筆などで直線的に塗りましょう。
5.まとめ
山が主役の風景画を描くときは山に対するイメージをしっかり固めておくのをオススメします。
優しい山、豊かな山、険しい山、寒々しい山などです。
そして山を引き立てる脇役を手前に配置しておくと、画面に奥行きができて世界が広がる感じがします。
山を描くときは遠近法が大事になります。
遠くの山は青く、薄く、低く描きます。
近くの山は木々を描くつもりで詳しく描き込み、尾根と沢の凹凸も木の色の濃淡で描き分けます。
単独で遠くの山を描くのではなく、近くに大きさの比較となるものを描くと、観る人は理解しやすく安心して鑑賞できます。
(今回は以上です)