砂利を主役にして描く人はまず居ないと思います。
川岸とか線路の砂利は間違いなく脇役ですよね。
主役のモチーフやテーマが別にあるはずです。
であれば、砂利は手抜きして労力を節約したいですよね。
この記事ではギリギリまで手抜きするのを前提に、なる早で砂利の雰囲気が描けるコツを解説します。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.砂利の種類 |
それでは個別に解説していきます。
1.砂利の種類
管理人は砂と石の中間が砂利と思っています。
ちょっと調べたら2ミリ以下を砂、75ミリ以上を石と呼ぶようなので、2~75ミリのものを砂利として扱い、その描き方を解説します。
砂利は丸いのと角張ったものがあります。
丸いのは川や海で大きな岩などから割れて、流されたり波に転がされたりしているうちに角が取れて丸くなったものです。
角張ったものは人工的に割られたもので、砕石とかクラッシャーと呼ばれたりします。
川岸や海岸のものは丸く、線路や人工物の近くのものは角張っていると覚えておけば、大抵こと足ります。
丸いものは基本が卵型です。
縦長になったり、薄くなったり、四角柱っぽいのもありますが、すべて角が取れて丸みを帯びています。
クラッシャーは様々な形がありますが、人工的に作ったので、粒径で選別され、ほぼ均一の大きさのものが納品されるようです。
鉄道の線路に撒かれているのはクラッシャーなので、ゴツゴツしていますが、粒はだいたい揃っています。
粒径に関していえば、川岸のものは大小さまざまですが、線路脇などのクラッシャーはほぼ均一です。
2.砂利は輪郭と陰だけを描く
砂利は脇役であるというのを前提にしていますので、なるべく手抜きを考えましょう。
砂利を質感で表現するのもいいですが、輪郭と陰で表現すると時短になります。
太陽の方向を意識して、その反対側の下部を濃くします。
丸い砂利のときは卵型を意識して、クラッシャーのときは平筆などでカクカクと陰を付けます。
陰はコントラストを大きくしましょう。
コントラストというのは明るさの差です。
そのほうが硬さを表現できます。
3.砂利は一部しか描かない
手前の部分や、色みが変わるポイントなどの一部分だけ砂利を描いて、あとは鑑賞者の想像に任せるという方法です。
全部の面積をみっちり描く必要はありません。
水彩画でよく使われる方法です。
家の外壁のレンガが一部しか描かれていないのを見たことないですか?
アレと同じです。
同じような色みや模様が連続するなら省略するのはお約束の1つなので、鑑賞者はちゃんと認識してくれます。
アクリル絵の具や油絵の具で細密に描いている場合、そこだけ手抜きしているみたいで目立ってしまうこともありますが、主役にしっかり注意を引きつけるような構図にすれば、鑑賞者も砂利ごときに目くじらは立てません。
4.砂利の質感
①微小な凹み、ツブツブ
砂利の質感にこだわっていると時間がどんどん過ぎてしまいますが、手前で大きいためにどうしても詳しく描かざるを得ないときがあるかもですよね。
そんなときは、石の表面をアバタの連続にするという方法があります。
あばたもえくぼのアバタです。
微小な凹み、ツブツブです。
具体的にはステンシル筆をスタンプみたいにして使います。
垂直に立てて、ペタペタと判子を押すみたいにして黒っぽい色を載せていけば、凹んだ微小な陰になります。
日向部分と陰の部分の中間に押すと、日向と日陰をなじませるような効果があるので曲面を表現できます。
ちなみにステンシル筆は100均でも売っています。
水彩の場合は、下書きに使った鉛筆やボールペンでアバタを表現する方法もあります。
点描みたいに点々を打っていきます。
あまりこだわると時短にならないので、ほどほどに。
②硬い質感には直線
クラッシャーのようなカクカクした砂利に使えます。
曲線を使わず、すべて直線で無骨に描きます。
平筆やペインティングナイフでガッガッと塗ります。
内部に直線の筋を入れるとそれらしくなりますが、内部まで描くのはやりすぎかもです。
時間がどんどん過ぎてしまいます。
さらにやりすぎですが、面と面の境い目に白い筋を入れると冷たさも表現できます。
5.まとめ
①砂利の種類
砂利は砂と石の中間の大きさ。
自然にできたものは丸みを帯び大小さまざま、人工的なクラッシャーは角張っているが粒の大きさは揃っている。
②砂利は輪郭と陰だけを描く
太陽の方向を意識して、その反対側の下部だけを黒くする。
丸い砂利は卵型の連続、クラッシャーはカクカクと平筆などで陰を付ける。
③砂利は一部しか描かない
砂利が敷き詰められていても、色みの変わり目や主だったポイントの砂利だけ描いて、あとは鑑賞者の想像力に任せる。
主役をきちんと描き込めば、砂利ごときに目くじらは立てられない。
④砂利の質感
質感にこだわると時短にはなりませんので、ほとほどに。表面の微小なツブツブはステンシル筆で判子を押すみたいにしたり、下書きの鉛筆やボールペンで点描みたいにしたりすれば表現できる。
クラッシャーは曲線を使わず、すべて直線で描くと硬さが表現できます。
(今回は以上です)