■アクリル絵の具には透明と不透明があるの？　５つの質問に答えます

まずアクリル絵の具とアクリルガッシュは別物です。
アクリル絵の具は色によって、透明と不透明があります。
アクリルガッシュは全て不透明です。
この記事はアクリル絵の具について解説していきます。

それでは、個別に解説・回答していきます。

1.なぜ透明と不透明があるの？

顔料（色素）によって透明、不透明が違うからです。

もし同じような色が売っていて、透明／不透明どちらにすべきか迷ったときは透明を買うといいでしょう。
理由は透明色でも厚塗りすれば不透明になるし、不透明色を少し混色するだけでも透明度は抑えられるからです。

逆に不透明色を買うと、こういうコントロールはできません。
不透明色を多めの水で溶いて薄くしても白色がかった不鮮明な色になるだけです。
いかに薄くしても不透明色は不透明なので、下に塗った色を活かすのは難しく、フィルムを重ねたような光学的な混色は期待できないからです。

2.透明色でも不透明にする方法ある？

上記でも触れましたが、厚塗りすれば不透明になります。
また少量の不透明色を混ぜれば透明度は下がります。
暗くしたくないのであれば、白で不透明のチタニウムホワイトを少し混ぜるといいでしょう。

3.透明／不透明を簡単に見分ける方法ある？

ラベルに書いています。
ただし、透明や不透明の度合いは色によって異なるので、画面の外の不要な紙などで試すといいでしょう。
しっかり覚えておくと便利なのは以下の３点です。

・ ジンクホワイトは透明
・ チタニウムホワイトは不透明
・ 黒は不透明のみ

混色して色を暗くしたいとき、せっかくの透明色でも黒を混ぜると、不透明になってしまいます。
黒にもいろいろ種類がありますが、すべて不透明です。

例えば茶色を作りたいときに、透明の赤に黒を混ぜると、茶色にはなりますが、不透明になってしまいます。
では、どうすればいいか？
補色を混ぜればいいんです。
色相環の反対側である補色の緑の透明色（例えばフタロシアニングリーン）を混ぜれば、透明色どうしを混ぜることになります。

その色は持ってないよ、というときは透明の黄色と青を混ぜてください。
それも無ければ透明の青を混ぜてください。

いずれも赤に対して、ほんの少しずつ混ぜて、様子を見ながら増やしてください。
透明色どうしといっても、やっぱり混ぜれば透明度は落ちていくので、いろいろ試しながらやってみてください。

4.明るい透明色で重ね塗りするとき下を隠したい。いい方法ある？

暗い色の上に明るい透明色を重ね塗りすると、なかなか隠れてくれません。
何度も乾かしながら重ね塗りするという方法もありますが、さっさと隠したいときは、不透明色であるチタニウムホワイトでベタ塗りします。
それが乾いた後で明るい透明色を塗れば、キレイに隠せます。

白い下地が不自然に感じるなら、その明るい色とチタニウムホワイトを混色したものでいったん塗って、乾いた後で明るい透明色を単独で塗れば、もう少しは自然な感じになるでしょう。

またチタニウムホワイトの代わりにジェッソを使うという方法もあります。
ジェッソはアクリル絵の具に比べたら、容量が大きいわりに安いので、大きな面積でも気前よく塗れます。

例えば、過去の失敗作や飽きてしまった作品などの画面を再利用するとき、水張りなら張り替えることをオススメしますが、キャンバスなら自分で張り替えるのは難しいという方も多いでしょう。

そういうときはジェッソでガバ～っと塗って隠してしまうという方法もあります。
ジェッソが乾いたら、サンドペーパーをかけて、表面をならせば描き心地もよくなります。

5.透明／不透明の一覧（例）

リキテックスの12色セット（レギュラー、伝統色、20ｍL）の透明／不透明の一覧です。

赤と黄色、白は透明色がセットに入っていませんね。
追加で買うとしたら……

……がいいのではないでしょうか。

もっと別の色も知りたいという方のために、リキテックスのカラーチャートを載せておきます。

※クリックすると大きな画像に飛びますので、透明／不透明を確認できます。

筆者は別にリキテックスの回し者じゃないので、こだわりのある方やお気に入りのメーカーがある方は独自に調べてみてください。

6.オマケ

100均アクリル絵の具は、黒以外ぜんぶ透明です。
正直、薄い。
これは顔料が粉ではなく、インク系だからと考えられます。

とくに白は薄いので何度も何度も塗らないと下の色が隠れてくれません。
普段、100均のアクリル絵の具で描いているという方は、白だけチタニウムホワイトにすれば、すんごく楽になりますよ♪

　　　　　　　　　　　　　　　（以上です）