ブレーンストーミングとは直訳すれば「脳の嵐」。
嵐のように脳をかき回すという意味です。
お題やテーマに対して、参加者が思いつきをどんどん発表するアイデア出しのやり方です。
4原則とは「質より量、自由に発言、批判しない、連想と結合」のことで、ブレストの根幹をなすルールです。
あまりに有名な手法ですが、この記事では1人でやる方法も解説してみます。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.ブレーンストーミングとは(概要) |
それでは個別に解説していきます。
1.ブレーンストーミングとは(概要)
「オズボーンのチェックリスト」で有名なアレックス・F・オズボーン氏が開発した手法です。
何かのお題(テーマ)が与えられたとき、会議などに参加するメンバーがアイデアを出し合う企画立案、発想法です。
略して「ブレスト」といわれます。
一人ブレストは、ブレーンストーミングを一人でやることです。
2.複数人でやる一般的な方法
複数人でやる一般的なブレーンストーミングには以下のルールがあります。
①テ ーマ、目的を明確にする
②質より量 ★
③自由に発言する ★
④批判しない ★
⑤連想と結合 ★
⑥発言を記録する
⑦出てきたアイデアを整理する
★印のついた2~5がとくに大切で、「ブレーンストーミングの4原則」と呼ばれています。
それぞれ解説します。
①テ ーマ、目的を明確にする
ブレストの使いみちは問題解決でも新たな企画でも構いませんが、何を導き出したいのかハッキリさせておかないと軸がぶれてしまいます。
② 質より量 ★
質を求めるにはまず量が必要です。
最初から質を求めると発想が萎んでしまい、なかなかアイデアが出なくなってしまいます。
まず量を出して、その中から質のよさそうなものを選び、そこを起点に展開を広げるほうが速く多くのアイデアを得ることができます。
③ 自由に発言する ★
バカバカしいことでも自由に発言していいという雰囲気を作ることで、参加者がリラックスし、苦手意識を持つ人もアイデアを出しやすくなります。
④ 批判しない ★
実現不可能だとか、ニーズがないとか、コスト的にムリとか、そんなダメ出しは一切認めないようにします。
そうでないと、せっかく盛り上がった自由な雰囲気が萎み、発言も減り、つまらないアイデアもどきしか出てこなくなります。
また自分の中でも『こんなことを言ったら笑われるかな』とか、『これは現実的ではないかな』とかは判断しないようにします。
とにかく思いついたら言ってみる。
画期的なアイデアほど、初見では失笑を買うくらいの突飛さがあるものです。
⑤連想と結合 ★
出てきたアイデアを広げる、他人のアイデアに乗っかる、悪ノリと言われてもいいから連想を爆発させる。
いいアイデアが出てきたら、すかさず「それイイね」と褒め、「さらにこんなのもあるんじゃない?」と上乗せすれば、他の誰かがまたアイデアを乗せて、どんどん高みに行けます。
それくらいの勢いと自由さがあって初めて画期的なアイデアが生まれます。
また出てきたアイデアを組み合わせたり、結合することで、新たなアイデアになることもあります。
⑥発言を記録する
アイデアは記録しないと、すぐに蒸発してしまうもの。
アイデアを出す一般の参加者とは別に記録担当がいたほうが楽です。
アイデアを出す人は発想するほうに集中できます。
⑦出てきたアイデアを整理する
出てきたアイデアを出しっぱなしにしないで、整理しないと現実的なタスクには落とし込めません。
その場が楽しいブレストでも、明確なやるべきことが見つからなければ無駄な時間になってしまいます。
当日その場でアイデアのグループ分けをするのに便利なのがKJ法です。(別記事で解説します)
3.一人でやるブレーンストーミング
やり方は複数人でやるのとほとんど一緒ですが、以下が少し違います。
・ 思いついたら、すぐ書く、全部書く
→取捨選択、審査は後でやる
・ 大量に書けるようにノートか、大きめの紙を用意する
→デジタルは入力が追いつかない
・ ある程度アイデアが出たら、いったん止めて、方向性が偏ってないかという目で見てみる
・ 似通った分野が多いようなら、最初の議題(テーマ)に戻って、別の分野、別の方向性を考えてみる
→深堀りより、まずは横展開。分野・ジャンル・方向性を全て出しつくす
・ 面白いアイデアが出たら、丸で囲んでおき、後でそこから線を伸ばして、さらに展開する
→先に進んだほうがいいのか(まず多くアイデアを出したほうがいいのか)、その丸で囲んだキーワードを展開(深堀り、上乗せ)したほうがいいのか悩ましいところだが、よりワクワクするほうをオススメします。
※記録する紙やノートの代わりに、パソコンのメモ帳や、一人ブレスト用のアプリを使うのもいいですが、ブレストに慣れてきたら、アイデアの出力スピードに入力が追いつかなくなります。
ブラインドタッチできる人でも同じです。
今のITの技術では、出てきたアイデアを丸で囲んだり、関連のあるアイデアを線で結ぶ……というのはマウスを使ったりしていると、紙とペンに遅れをとります。
また紙やノートに記録したものは、後日何の気なしに眺めていると、また閃くということもあるので、アナログでの記録をオススメします。
絵で何を描いていいか分からない、テーマが見つからない、発想力を鍛える方法が知りたいという方は、それを議題に一人ブレストをやってみてはいかがでしょうか?
絵のテーマが見つからないのが問題で解決するために何をしたらいいか、という議題です。
まとめ
ブレストのコツは
「とにかく量」
「途中で絶対にダメ出ししない」
「突拍子もないアイデアを歓迎する」……です。
「発想力がないのではなく、ダメ出し力が強くなり過ぎている」と逆転の発想で考えてみてください。
アナタは既にいくつも面白いアイデアを思いついてきたのに、その都度、自分で握り潰してきたと認めるのです。
そうすることで、最初はくだらないアイデアばかりに思えていたのが、だんだんと使えそうなアイデアも出てくるようになります。
絵のアイデアやテーマ探しで行き詰まったら、1人ブレストをぜひやってみてください。
補足
ブレーンストーミングは大量に出せば、適度に右脳が疲れて達成感があります。
でもそこで何もしないと、ただのお楽しみで終わってしまう場合もあります。
そうならないようにアウトプットしたアイデアを整理、分析するのにオススメなのがkj法です。
よかったらついでに読んでみてください。
→「kj法 グループ化と関係性の矢印で右脳トレーニング⑧」
(以上です)