絵のアイデア・発想法

■ロジックツリー 左脳と協力して進める右脳トレーニング⑤

2021年10月1日

ロジックツリー、右脳トレーニング

ロジックツリーは直訳すると「論理の木」です。
元々は問題を論理的な思考で解決するための思考法です。
これは問題解決だけでなく、目標やゴールを設定し、どうしたらそこへ辿り着けるか考える手法としても使えます。

絵のお題やテーマが見つからないというのも立派な問題ですから、解決策を探るために有効です。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.ロジックツリーとは、概要
2.ロジックツリーのメリット・デメリット
3.ロジックツリーの種類
4.絵の上達などへの利用のしかた

 

それでは個別に解説していきます。

1.ロジックツリーとは、概要

問題の定義から始まり、問題の深堀り、全体像の把握、原因の特定、多方向からの解決策の考案、列挙、優先順位付けなどができる手法です。

これは問題解決だけでなく、目標やゴールを設定し、どうしたらそこへ辿り着けるか考える手法としても使えます。

 

2.ロジックツリーのメリット・デメリット

・視覚化することにより把握しやすい。問題の定義のズレや堂々巡りの議論をしなくて済みます

・複数の利害関係者の思惑が絡む問題は一筋縄ではいかないので、あまり向きません。
でも、個人で一人ブレーンストーミングをする感覚なら、とくにデメリットはありません

 

3.ロジックツリーの種類

以下の3つがあります
・What型:要素分解ツリー
・Why型:原因追求ツリー
・How型:問題解決ツリー

それぞれ解説していきます。

1)What型

ざっくりとした目標や希望を細分化し、より詳しく具体的にしていく方法です。

例えば、「いい絵を描きたい」「人から褒められる絵を描きたい」というのは大雑把すぎる目標ですが、では「いい絵」の定義とは何か、どういう絵がいい絵なのか、どんな条件が揃ったらいい絵なのかと列挙していきます。

もちろん定義だけで終わらず、いい絵はどんな画風なのか、どんな絵の具を使っているのか、どんなモチーフなのか……とあらゆる角度、要素から思いつく限り、出し尽くすのです。
そうすると自分が好きな、または自分が感じるいい絵に具体的に近づける訳です。

 

2)Why型

問題の原因を追求していく方法です。
このとき大切なのは、最初に否定的な問いをしないことです。

例えば、「なぜ自分は絵が下手なのか」
これでは自己否定や自責になってしまって、前向きな議論ができません。
それよりは「なぜ絵を描く時間が作れないのか」みたいに上達を阻害する原因追求に使うほうが建設的です。
ここ大事ですよ。いい質問は、いい人生を創ります。

 

3)How型

問題解決のための改善策を列挙していく方法です。
「どうやって?」という問いに答えていく方法ともいえます。

例えば、学校の成績を上げたい、改善したいという目的や問題があったとします。
2段階で掘り下げます。

1段目はまだざっくりとしていても構いません。
勉強時間を増やす、塾に行く・ネットの講義を視聴する、いい参考書を調べる、そもそも勉強法が間違っている?→効率的な勉強法を探す……などが挙げられます。

2段目は具体的な方法を考えます。
勉強時間を増やすというのは明確なようで具体的なアクションがまだ見えていません。
なぜ勉強時間が少ないのかと自問することにより、スマホとくにSNSのやり過ぎ、ゲームのやり過ぎ、テレビの見過ぎ、なかなかエンジンがかからない、やる気が出ない……などが挙げられます。

スマホやゲームのやり過ぎなら、どうすれば抑えられるかと考え、使用時間の上限で開けなくなるアプリをインストールするなどのアクションが見つかるでしょう。
なかなかエンジンがかからない、やる気が出ないという場合はネットで検索すればコツなども見つかります。
まず1分間だけやる、やる前のルーチンを決める、勉強する目的を明確にする、勉強して合格した後の自分の喜んでいる姿を想像する……などが候補に挙がります。

要は「どうやって?」と自問するのが始まりです。
いろいろ忙しいかもしれませんが、このちょっとの時間を割いて考えることで、その後の効率がまったく違ってくるので使わないのはもったいないですよ。

 

4.絵の上達などへの利用のしかた

例えば「どうすれば絵が上手くなるか」という命題(テーマ)を与えたときに、以下の4つの方策が見つかったとします。

「デッサンや模写からやり直す」
「絵画教室に通う」
「とにかく描く、量をこなす」
「好きな画風を見つける」

まだざっくりとしていますね。
具体的なアクションに繋げにくい状態です。
これをさらに細分化して、「デッサンや模写」であれば、クロッキー、スケッチ、デッサン、鉛筆による模写、絵の具を使った模写と細分化し、さらに何をモチーフにするのかと掘り下げていきます。

少し戻りますが、大切なのは最初に見つかった絵が上達する4つの方策が全てなのかということです。
5つめ以降の方策は絶対に出てこないと思えるところまで右脳を使って、検索しまくって出しまくる訳です。
これは右脳トレーニング3で解説した「関連語大量出力法」が役に立ちます。
あなたなら5つめは何にしますか?
答えを読む前に少し考えてください。

……

……

……

……いいでしょうか。

5つめの例は
「いい絵を大量に見る」
「いい絵はなぜいい絵と感じるのか分析する」
「筋肉骨格を覚える」
「パース(線遠近法)を覚える」
「過去に描いた絵を見て改善点を列挙して、別の紙に描き直す」等があります。
方策はさらにあるはずですので、ご自分でも考えてみてください。

列挙が終わったら、それぞれを細分化していきます。

 

まとめ

問題や目的、解決策を細分化して具体化することで、より具体的なアクションに落とし込めるのがロジックツリーのいいところです。

絵がなかなか上達しないという場合は悩んでいるだけだったりして、手をこまねいている人も多いのではないでしょうか。
そんなときは細分化して、分析してみることをオススメします。

 

補足1
なかなか解決しない問題があるとき、堂々巡りになってないか、一度立ち止まって整理してみるといいかもですね。

絵に関しては、楽しんで描くというのが一番ですので、自分が楽しい、好きと思える方法を見つけて、継続してください。

 

補足2
絵の上達法を手っ取り早く知りたいという方は以下をどうぞ
→「絵の超初心者むけ練習法、上達法(前編)
→「絵の超初心者むけ練習法、上達法(後編)

 

               (以上です)

 

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