絵のお悩み解決

■クロッキーのやり方、練習のしかた、描き方のコツ

2021年9月27日

クロッキーとは、やり方

クロッキーとは速写といって3~10分間程度で対象物を描写することです。
アプリなどを使ってもっと短い時間(30秒~1分間)で、次から次へと人物写真などを描写していく方法もあります。

 

この記事で説明する項目、描き方のコツなどの一覧です。

1.クロッキーの目的
2.クロッキーで必要な道具
3.クロッキーのやり方の実例
1)手(手首から先)の場合
2)人物画の超がつく速写の場合

 

それでは個別に解説していきます。

1.クロッキーの目的

1) 明暗や細かい部分を描き込む時間はないので、全体の形、バランスを捉える練習になります。

2)とくに時間が短い場合は形を単純化したり、置き換えたりする練習にもなります。

3)また動きのある物の一瞬を捉える練習にも使えます。

4)デッサンをする前の練習としても使えます。
例えば人物デッサンは形、明暗、凹凸などを何時間もかけて描き込みますが、全体の形やバランスを捉える力がないと台無しになってしまいます。
クロッキーで形を掴む練習を十分に積んでからデッサンに着手したほうが上達は速いようです。
どうしてもデッサンにすぐ着手したいなら、平行してクロッキーも毎日やるのがオススメ。

 

2.クロッキーで必要な道具

①描く道具
鉛筆でもボールペンでも構いません。
しかし、慣れないうちは一発で主線を描けないでしょうから、アタリ(大まかに引いた線)を幾つも幾つも描くことになり、ボールペンでは濃淡の差を付けづらいので、柔らかい鉛筆(2B~4B)のほうが無難です。
力を入れずにアタリを描いて、その中からコレだ!と思った線を強めになぞって主線にする方法がオススメです。

②消しゴム(練り消しゴム)は使わない。
使うことを前提にすると描くのが遅くなります。
使えない前提でやるとアタリは弱く描くようになり、コレだ!という主線が見つかるまで慎重に観察するようになります。

③紙
紙は何でもいいです。ただし日付を描いて残しておけば成長を実感できるので、ノートでもスケッチブックでもコピー用紙でもいいですが、同じ大きさの紙にしたほうがファイリングしやすいでしょう。

④(必要に応じて)時間を計測できるもの。
秒針のあるアナログ時計、スマホのアプリなどがあると時間の制約があるので集中できます。

 

3.クロッキーのやり方の実例

1)手(手首から先)の場合
グーでもパーでもいいし、二本だけ指を曲げてもいいし、裏と表、上から下から、とにかく思いつく限りの手のポーズを取り、その全部を描いて描きまくるつもりで取り組む。

★描き方のコツ
①いきなり指や手のひらを描くのではなく、手の形の全体を見て、「何角形か」と見極める。
もちろん正○角形ということはないはずで、頂点を直線で結んで外側の形を描く。
どの指も直線の枠の中に収まるように、はみ出さないようにする。

②手のひらを四角で描く。
全体に対する面積のバランスをチェック

③指を大雑把に描く。
手のひらとの大きさのバランスをチェック

④指のシワ(関節で曲がっている所)も描いて、一本ずつ描く。

 

2)人物画の超がつく速写の場合
骨格とくに骨盤から描くのがオススメ。
スタートはウエストや、ヘソの辺りからでもいいですが、骨盤は骨格をイメージできるのでやりやすくなります。
体の中心部から描いて上下に伸ばすと、どちらが長いのか(短いのか)チェックしやすいのです。

頭を先に描いて、胴体、足と下ろしていく方法もありますが、これが一番シックリくるという場合は、もちろんその方法で進めてください。

★骨盤から描く方法のコツ
①骨盤を横長のH型で描く  |――|

②Hの真ん中から上に背骨をS字型で伸ばす

③頭を丸で描く

④ 骨盤のHの両端から足を伸ばし、爪先まで線を描いたら、そこでいったんストップ。

⑤ 頭の頂上から爪先までのバランスを見る。
どちらか短いなら消さずに足す。
(消しゴムで消しているヒマはない)

⑥ バランスがOKなら両肩の線を描き、その先端から両手の線を伸ばす。
ここで再びストップ。手が長すぎたり、短すぎたりしないかチェック。

⑦針金の人形みたいな下書きができているはずで、全体のバランスがOKなら、肉を足して丸みを帯びさせる

⑧日付を描いて残す。
初回と100回目を比べれば、確実に上達しているのに気づくはずです。それをモチベーションにさらに3ヵ月続ける(頑張れ!)

 

まとめ
イラストや絵を上手くなる方法と検索したり、絵の上手な人に聞いたら、ほぼ全員が口を揃えたように「とにかく数を描け」と言うはずです。
デッサンは5時間も10時間も掛けて精密に仕上げるので働いていれば週に1枚仕上げれば上出来でしょう。

その一方、クロッキーは一枚に3分から10分間程度しか掛けないので、とにかく枚数だけはぐんぐん伸びます。
モチーフが人物の場合、週に100体だって描こうと思ったら描けます。
3ヵ月あれば1,000体だっていけます。
これだけ描いたら、嫌でも人体のバランスは覚えます。
人の作品を見て、一瞬で手足が長い短い、頭の大きさが変と気づけてしまいます。
デッサンも必要ですが、「とにかく数を描け」という場合、クロッキーはオススメですよ。

 

補足
クロッキー、スケッチ、デッサンなど似たような言葉があって、違いが分からないという方は以下の記事もよかったら、どうぞ。
→「クロッキー、スケッチ、デッサンの違い

 

               (以上です)

 

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