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■メディウムとは 一挙14種類。概要、使い方、混ぜる割合など

2022年4月23日

メディウム、14種類一挙紹介

メディウムとは添加剤、補助剤です。
直訳すれば媒体、媒介物。
アクリル絵の具に混ぜて使うことにより、質感や性質を変えることができます。

使用する目的は、質感(テクスチャ)や粘度、乾燥速度の変化、表面の仕上げ処理のためです。

質感(テクスチャ)は幅が広く、透明感とツヤを変化させるもの、砂やガラス玉、繊維などを混ぜ込んで見た目や手触りを変化させるものなど、たくさんあります。

主な種類は5種類。
メディウムと名前の付いているものに加えて、ジェッソ、モデリングペースト、テクスチャジェル、バーニッシュなどがあります。

 

この記事で説明するメディウム類の一覧です

1.メディウム
・ジェルメディウム
・ヘビージェルメディウム
・マットジェルメディウム
・グロスポリマーメディウム
・マットメディウム
・グラデーションメディウム
・リターディングメディウム
・リキシック
・ペインティングメディウム(ブレンディングメディウム)
・パールメディウム

2.ジェッソ

3.モデリングペースト

4.テクスチュアジェル

5.バーニッシュ

※2と5は一般的にはメディウムとは呼びませんが、ついでに説明しておきます。

 

それでは個別に解説していきます。

1. メディウム

※メディウム類全般に言えることですが、混ぜる割合はアクリル絵の具1に対してメディウムは1以下がオススメです。
厳格なルールはないので、これ以上混ぜると変色やヒビ割れを起こすからダメみたいな決まりもありません。
多めに混ぜたいという場合は試行錯誤しながらお好みの適量を見つけてください。

ジェルメディウム
※クリック(タップ)したら大きな画像になります。

1)ジェルメディウム:ツヤ出し、盛り上げ用。コラージュの接着剤。
砂やビーズなど好きなものを混ぜて、独自のマチエール(質感)を作ることもできます。

2)ヘビージェルメディウム:硬練り上げメディウム。
ジェルメディウムよりさらに粘着力、量感(盛り上げ感)が増します。

3)マットジェルメディウム:ツヤ消し、盛り上げ。

4)グロスポリマーメディウム:ツヤ出し、表面保護ニス、コラージュの接着剤。

5)マットメディウム:ツヤ消し、接着剤。
アクリル絵の具特有のテカテカした光沢を抑えたいときなどに使うと便利。
安定性を損ねることなく、絵の具の伸びをよくしてくれます。
コラージュのときの接着剤としても使えます。
泡立たないように静かに混ぜるのがコツ。泡ができたら消えるまで待ちましょう。

6)グラデーションメディウム:乾燥を遅らせ、ボカシやグラデーションに使います。

7)リターディングメディウム
リターディングメディウム
※クリック(タップ)したら大きな画像になります。

絵の具の乾燥を遅らせるために使います。
紙やキャンバス上で混色したり、タッチを残すときに使います。
油絵みたいな描き方や、グラデーションをじっくり描き込みたいときに役立ちます。
試しにパレットに出して48時間ほど放置してみましたが、固まりませんでした。単独ではなかなか固まらないんですね。
(1週間後でも固まりませんでした)
アクリル絵の具と混ぜたら、30~60分間くらいで固まります。

 

8)リキシック:硬化剤。絵の具に粘りを出したいときに使います。

 

9)ペインティングメディウム(ブレンディングメディウム):
ペインティングメディウム
軟化剤。絵の具の粘りを弱め、筆の滑りをよくするために使います。
エアブラシを使うとき、ノズルの詰まりを防いでくれるので、水の代わりによく使われます。
アクリル樹脂の安定性、固着力を損ねずに、絵の具の伸びをよくしてくれます。
水彩絵の具みたいな塗り方、淡彩などのようにアクリル絵の具をすごく薄めてたいときに使うと、水で溶くより安定性、定着力、耐久力が増すので安心です。

アクリル絵の具の材料は簡単に言ってしまえば、色素とアクリルエマルジョンです。
ペインティングメディウムの材料はアクリルエマルジョンが中心になっています。
なのでコレを使えば、色素を水で薄めるのではなくて、絵の具の成分と同じもので薄めることができます。

 

10)パールメディウム:絵の具と混ぜて、パールカラーを作るときに使います。

 

2.ジェッソ

ジェッソ

ジェッソとは、下地剤です。
アクリル絵の具を使う前にコレを塗っておくと定着や発色をサポートします。

精密画を描くときの下地材として使う方法もあります。
キャンバスに描くとき、布目のデコボコにうまく絵の具が入っていかなかったり、筆が布目で邪魔されてキレイな線がひけないときがあります。

例えば髪の毛を描くとき、1ミリ以下の細い線をひきたい場合は買ってきたキャンバスのままだと、かなり難しい作業になります。
これを防ぐために事前にジェッソを塗って、サンドペーパー(紙やすり)で滑らかにしておくと、その後の作業がずっと楽になります。
写真みたいな精密画を描くなら、ジェッソとサンドペーパー掛けを1セットとして、これを3セットやるといいでしょう。

混ぜる割合について
①アクリル絵の具との割合:とくに決まりはありません
②水との割合:まったく入れないか、入れるとしても20%までがオススメ

 

ジェッソは大別して2種類あります。

1)普通のジェッソ:白色の地塗り剤(下地材)
絵の具の発色と定着を促します。
紙やキャンバス以外の例えば布、木、石やガラス、金属などに塗りたいときに使うと絵の具が定着しやすくなります。
ガラスや金属などツルツルした表面のものは、ジェッソを塗る前にサンドペーパーなどで削ると定着しやすくなります。

例えば、板にジェッソを使わず直接アクリル絵の具を塗ると、発色が悪くなり、残念な色にしかならないので自分がすごく下手になった気がします。
木製パネルに塗るときなどは必須と言っていいでしょう。

 

2)カラージェッソ:色付き地塗り材(下地材)
普通のジェッソに絵の具を混ぜて使うと徐々にマット(ツヤ消し)になってしまうため開発されました。

 

3.モデリングペースト

大理石の粉末を混合した白いパテ状の盛り上げ剤。地塗り、盛り上げ用。

※混ぜる割合について
アクリル絵の具との割合:とくに決まりはありません。
単体で塗って、その上にアクリル絵の具を塗るほうが色の濃度をコントロールしやすいかもしれません。

 

4.テクスチュアジェル

質感を変えるためのもの。
漆喰(のような質感)、砂、ガラス玉、ポリエステル小片、ポリエステル繊維などがあります。

※混ぜる割合について
アクリル絵の具との割合:とくに決まりはありません。
単体で塗って、その上にアクリル絵の具を塗るほうが色の濃度をコントロールしやすいかもしれません。

 

5.バーニッシュ

バーニッシュ

仕上げ剤。表面保護のために使います。
水性と油性があり、それぞれツヤ出し、ツヤ消しがあります。
水性のものは上から加筆ができますが埃が吸着するので、油性のバーニッシュを重ね塗りするとさらに安心です。

油性のものは上から加筆できません。
埃が吸着した場合、ソリューバー・シンナーで剥がして、塗り替えることができます。

水性のものは水で薄めて使うことができますので、初心者はコチラのほうが取扱いが簡単でオススメです。

※混ぜる割合について
アクリル絵の具を混ぜて使うものではありません。
完成した後の表面保護の目的で使います。
木工のニスのような役割です。

 

               (以上です)

 

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