風景画モチーフ別のコツ

風景画 木の描き方、塗り方 簡単なコツ3選

木は風景画では欠かせないモチーフですよね。
木の表情は千差万別ですが、基本的な型やパターンを覚えておくと応用がきいて便利です。
コツなどもまとめましたので、よかったら読んでいってください。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.木を描く簡単なコツ
2.葉っぱの付き方で代表的なのは種類!?
3.距離感、立体感
4.塗る順番
5.まとめ

 

それでは個別に解説していきます。

1.木を描く簡単なコツ

忙しい人むけにササッと読める簡単なコツをまず書きます。

 

①木の葉っぱの付き方は綿菓子型が一番多い
ボールを塗るように日向、中間、日陰を意識して3色で塗り分けましょう。

 

②距離感は描き込みの細かさ・粗さで調節できます
近景は葉っぱの1枚1枚が分かるくらいに、中景は明中暗の3色で、遠景は少し白く青っぽくした1色でザザッと塗りましょう。

 

③塗る順番
重ね塗りできるデジ絵やアクリル絵の具などであれば先にベースとなる日陰の色をベタッと塗って、その上に明るい色を乗せると速いし楽ですし、リアルっぽくなります。

水彩絵の具や色鉛筆などの重ね塗りしにくい画材なら明るい色、中間の色を塗った後に暗い色でアクセントを付けます。

 

 

※もう少し詳しく知りたい方や、コツの元となった理由などを知りたい方は引き続き読んでみてください。

 

2.葉っぱの付き方で代表的なのは3種類!?

木全体の形は卵型、円すい型、円柱型などいろいろありますが、葉っぱの付き方は(かなり強引にまとめてしまうと)代表的なのは3種類になります。
木全体の形は個性があるので様々ですが、葉っぱの付き方は光合成を効率よくするために、だいたい決まってくるからではないでしょうか。
おおざっぱに3つに分類すると、綿菓子型、熊手・ほうき型、多層の富士山型です。
それぞれ説明します。

 

①綿菓子型


このタイプの木が一番多く見られます。
枝分かれした先端が綿菓子のような丸っこい葉っぱのグループになっていて、いくつかのグループが集まったものも綿菓子型になっています。

 

モコモコした丸い塊もあれば、縦長の塊もあります。

上からの光だけでなく、横からの光も逃さないという葉の付き方です。

 

②熊手・ほうき型

熊手の引っ掻く部分に葉っぱがいっぱい付いているイメージです。
このタイプの木は横から見ると細い枝が何本も縦に放射状に伸びており、葉っぱはスカスカで枝ばかり目立ちます。
横からの光に興味がないみたいな葉の付き方です。

 

③富士山型

傘や富士山を何層も重ねた形をイメージしてください。
上に行くほど小さな富士山になります。
モミの木、ヒノキなどがあります。
葉の面積はぐっと少ないですが、松も同じ種類です。
上からの光を受け止めることに専念しつつ密集しているような形です。

 

※葉っぱの付き方は他にもたくさんあります。
柳の垂れ下がった感じもあれば、バナナの木、ヤシの木などの南方系もあります。
挙げていくとキリがないのですが、上記3つのパターンを押さえておけば、日本の風景では大抵なんとかなるのではないでしょうか。

 

3.距離感、立体感

①距離感
近景→中景→遠景で塗り方を変えます。
近景の木は葉っぱの1枚1枚がイメージできるくらいに先端を尖らせたりして細かく描きます。
中景は3色くらいで塗り分けます。
直射日光の当たってる部分、日陰の部分、その中間です。
遠景の木は1色でしかも白っぽくまたは青や灰色を混ぜるなどして遠さを表現します。

 

②立体感
太陽の方向を意識して明中暗の3色で塗ります。
直射日光の当たってる部分は明るい緑の上に所々白っぽい緑の光の粒を置いていくのもいいでしょう。
日陰の部分は緑に黒か補色である茶色を少しだけ混ぜます。
基本的にはボールの塗り方と同じです。
グラデーションにするのは面倒なのでザザッと塗り分けましょう。

 

4.塗る順番

①重ね塗りできるデジ絵や絵の具
デジ絵や、アクリル絵の具や油絵の具なら重ね塗りできるので、日陰の部分を先にベタッと塗ります。
その上に明るい色を点描みたいに乗せていくほうが速いし楽です。
葉っぱの隙間から見える奥や向こう側の暗さを表現できるのでリアルっぽくなります。

 

②水彩絵の具
重ね塗りできなくはないですが、下地が暗い色だと上に塗る色は負けてしまうので、全体的に日陰の色を塗るのは止めて、明るい色、中間の色を塗った後に暗い色でアクセントを付けるという感じの順番がいいでしょう。

 

③色鉛筆など
色鉛筆は高価なタイプだと重ね塗りもしやすいようですが、初心者の方が持っているタイプだとしにくい場合も多いようなので、水彩絵の具と同じように明るい色、中間の色を塗った後に暗い色でアクセントを付ける順番が楽です。

 

5.まとめ

木全体の形は卵型、円すい型、円柱型など多様ですが、葉っぱの付き方は大ざっぱにまとめてしまえば代表的なのは3種類です。
綿菓子型、熊手型、多層の富士山型の3つです。
日向、中間、日陰の色で塗り分けることで、それぞれの型を表現します。

距離感は近景なら葉っぱが分かるくらいに詳しく描き込み、中景なら3色ていどでザザッと塗り分けて、遠景なら少し白っぽく青っぽくした1色で塗ります。

立体感はボールを塗る要領で、太陽の方向を意識しながら明中暗で塗り分けます。

塗る順番は画材によって異なります。重ね塗りできるアクリル絵の具や油絵の具なら先に陰の色でベタット塗って、その上に明るい色を乗せていくほうが楽だし、リアルになります。

重ね塗りできない画材なら明るい色、中間の色を塗った後に暗い色でアクセントを付けます。

 

               (今回は以上です)

 

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