風景画モチーフ別のコツ

風景画 川の描き方 簡単なコツ―形、色、水面も

人間は本能的に水を求めるので川や海などを見ると癒やされます。
風景画で川を描こうとしたけど、色や水面の表情が難しかったりした経験ないですか?
ココでは簡単なコツなどを紹介しますので、ついでに基本も押さえていってください。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.川を描く簡単なコツ
2.川の形
3.川の色
4.川の水面の表現
5.まとめ

 

それでは個別に解説していきます。

1.川を描く簡単なコツ

忙しい人むけに、ササッと読める簡単なコツをまず書きます。

 

①川は空の色などを写した鏡と考える
映りこんだものの色を濃いめにして表面を塗る。

 

②自分の目線の高さ=水平線を意識する
川幅は水平線へ向かっていくように細くする。

 

③縦塗り、横塗り
激しい流れの川は水流に沿うように縦に塗り、静かな流れの川は横に塗る。

 

④水面は小さな波の連続
川の色に白を加えて、手前は細めの横線、遠くは極細の横線か点々で微細な凹凸をつけて川の表情を描く。

 

 

※もう少し詳しく知りたい方や、コツの元となった理由などを知りたい方は引き続き読んでみてください。

 

2.川の形

川を描いた後に何となく形が変と思ったら、遠近法の理屈に反しているかもしれません。
川が空や地底に向かっているように感じたら、川幅の向く先をチェックしてみましょう。

川は基本的に平行線ですから、その延長線は観察者(あなた)の目線の高さ=水平線に集まります。
集まった先が水平線でなく、バラバラになっていると空や地底に向かっているように感じてしまうんです。
平行線が狭くなる先はすべて水平線上になるようにしましょう。

※適当な川の画像が見つからなかったので、平行線がクネクネしている小路を例にとります。
川も小路も平行線なので理屈は同じです。
赤い横線が、撮影者(管理人)の目線の高さ=水平線です。
小路は奥へ行くほど狭まって見えますが、その狭まり方はすべて水平線上に収束するという遠近法にのっとっています。

 

3.川の色

川の色って微妙ですよね。イメージ的には水色や透明なんですけど、実際は紺色のような緑のような土色のような……。
外国の川は茶色もありますけど日本だと珍しいですよね。

川の色は場所や天気、季節によって千変万化ですので一概には言えませんが、強引にまとめてしまうと、パターンは3つあります。

空の色、渓流、濁った川の3つです。
それぞれ解説します。

①空の色
川は空の色を写している鏡。
空の色や建物など写り込んでいる物を少し濃くして水面に描く。
青、紺色、薄い灰色を混ぜて調整しましょう。
さらに横線で小さな波を描き入れて、映ったものを所々、途切れさせます。
遠近法にのっとって、手前部分の横線は間隔を開けて、奥は密集させるようにしましょう。

 

②渓流

渓流は透明度が高いので浅い所は川底の岩や砂利などの色になり、意外と黒くなったりまします。
深い所はエメラルドグリーンみたいな緑色になります。

流れの速い所は泡を多く含むので白い筋を多くして、水流自体は白+青なので、水色っぽくします。

 

③濁った川
町中に近いところでは濁った色になります。
砂や水草、苔を運んでいるので茶色がかった薄い灰色、緑がかった灰色などで調整します。

 

4.川の水面の表現

①川の表面の波
表面の凹凸は小さな波が連続しているのを想像してください。
手前ではその形が分かりますが、遠くでは細い横棒または点々になります。
遠近法の理屈です。
川の色に白を加えた明るい色を作り、手前は細い横線、遠くは極細の横線または点々で微細な凹凸を表現します。

 

②流れの表現
川の流れを表現するために流れにそって縦に筆を動かすと激流っぽくなってしまいます。
川はたいてい静かに流れています。
平筆などで左右(水平方向)に動かして、奥に行くほど細い筆で左右に動かして塗っていきます。
色鉛筆などでも理屈は同じで水平方向に動かして塗って行きましょう。

 

5.まとめ

川の形は遠近法を意識して、平行線がすべて水平線上に集まるように狭くしていきます。

川の色は一概に言うのは難しいですが、強引にまとめてしまえば、空の色、川底の色、砂や水草などの色の3種類です。
理想は透明感のあるキレイな水色ですが現実には灰色がかった緑色とかもあります。
光の粒などで水面を表現してやると、それなりにリアルでキレイな川になります。
よかったら試してみてください。

 

               (今回は以上です)

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