アクリル絵の具の基本

■アクリル絵の具セット!? 初心者には道具のセットがオススメ?

2021年10月19日

100均、アクリル絵の具
※100均の絵の具コーナー。アクリル絵の具の他、必要なものは一通り買えます。

 

アクリル絵の具を始めようとする初心者は道具のセットを買ったほうがいいのか?

結論を先に言います。
別にセットで買わなくてもいいです。
最初からきちんとしたものを買うというこだわりがあるなら止めません。
でも、まだアクリル絵の具との相性も分からないうちから何千円も出したくないという方は、理由も書きますのでぜひ読んでいってください。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.最低限必要な道具の種類
2.再び結論とその根拠
3.根拠の詳細
4.100均で買うべき最小限のもの(詳細)
5.100均を早々に卒業すべき理由

 

それでは個別に解説していきます。

1.最低限必要な道具の種類

まず最低限、必要な道具の種類を書きます。

・ アクリル絵の具
・ 筆
・ 筆洗い器
・パレット
・ 紙

これは全部100円均一ショップ(以下、100均と略します)で買えます。

最初からきちんとした物を買わないと成長できないじゃないかと思う人も、以下の①と②だけ読んでもらえれば、この記事を読む価値が分かって頂けると思います。

 

2.再び結論とその根拠

結論:初心者の人は別にセットで買わなくてもいいです。
アクリル絵の具との相性を見極めてからでも遅くないです。

 

根拠:
①最低限の色や道具などを百均で買って、自分との相性を見極めて、その後きちんとしたメーカー品の道具セットを買っても、そんなに遠回りではないから。

②アクリル絵の具と、アクリルガッシュを混同する人が非常に多いので、両方とも試して、好きなほうが分かった上で本格的なセットを買うという方法もあるから。

 

3.根拠の詳細

結論の根拠をもう少し詳しく解説します。

①速乾性、発色の好み、相性
アクリル絵の具は速乾性ですので、乾いたら重ね塗りできるという特徴があります。
多めの水で溶けば水彩絵の具みたいな描き方もできるし、ほとんど水で溶かずに描けば油絵の具みたいな盛り上げた描き方もできます。

しかし速乾性が嫌だという人も、色が派手すぎて嫌だと感じる人もいると思うので、これは試してみないと分かりません。
(ちなみに、乾きを遅くする遅乾剤も売っていますし、色の派手さを抑えるのは混色で何とかなりますし、ツヤを抑える添加剤も売っています)

長年にわたって水彩絵の具を愛用していた人がアクリル絵の具に出会って、もっぱらアクリル絵の具ばかり使うようになったという話はよく聞きます。

それでも皆がそうとは限りません。
アクリル絵の具は試してみたけど、やっぱり水彩絵の具やパステル、色鉛筆画のほうが合っているという人もいるはずです。
なので、最初から本格的なセットをドカッと買わなくてもいいんじゃないかなということです。

 

②アクリル絵の具と、アクリルガッシュは別物
違う種類のものですよと言っても、それでも間違う人がいます(汗)。
アクリル絵の具は透明~半透明、アクリルガッシュは不透明と覚えてください。

アクリルガッシュのラベルにはGOUACHEと表記されています。
先に生まれたのがアクリル絵の具で、これの塗りムラを解消するために生まれたのがアクリルガッシュです。

アクリルガッシュはイラストやデザイン画に向いています。
ベタッと均一に塗るのが非常に楽です。
アニメのセル画をイメージしてもらったら分かりやすいかと思います(プロが使うのはアニメ専用の絵の具みたいです)。
あんなふうに均一に塗りやすいのがガッシュです。

一方のアクリル絵の具は水彩絵の具みたいな透明感のある描き方も、油絵の具みたいな濃厚な描き方もできます。

これは筆者の個人的な感想ですが、最初はアクリルガッシュのムラ無く塗れるところ、乾けば重ね塗りできて下地を隠してくれるところが嬉しくて、楽しかった記憶があります。
でも、しばらくすると色紙を貼っているような、色付きの平べったいゴムを貼っているような感じがして何となく飽きてしまいました。
(ガッシュ好きの方、ごめんなさい ^^;)

ただし、これまで水彩絵の具やポスターカラーで重ね塗りできない=訂正もできない、という残念さを経験してきた人にはアクリル絵の具も、アクリルガッシュも目からウロコが落ちるくらい楽しい画材だと思います。

なので、両方とも試してもらいたいんですよね。
それぞれ最低限の色でいいから百均で買って体験してもらえればと思います。

 

4.100均で買うべき最小限のもの(詳細)

100均、アクリル絵の具

分かったよ、とりあえず道具セットでドカッと買うのは考え直すよと納得してくれた人は以下を読んでください。

百均でコレさえ買えば、とりあえず始められる最低限の買ったほうがいいものリスト

①アクリル絵の具(赤青黄色、白と黒の5色)
→他の色は混色で何とか作れます
→緑=青+黄色、紫=青+赤、オレンジ=赤+黄色、茶色=赤+少量の黒または青。
→混色が面倒と思った人は緑と茶色なら売っています。

100均、筆、絵の具用

②筆(3~4本セットで売ってます)

③筆洗い器
→(水を2つか3つに別れて入れられるもの)

100均、パレット

④パレット
二つ折りのしっかりした物と、ペット樹脂の使い捨てタイプの物が売っています。

⑤紙
ケント紙がオススメ。A4サイズ4枚入りで売っています。
スケッチブックもいろんな種類のものを売っています。

絵の具が5色、+4品ですので合計900円(税別)ですね ^^;
最初に買うのをアクリル絵の具にするか、アクリルガッシュにするかはお任せします。
アクリル絵の具は薄塗りから厚塗りまで自由度が高く、アクリルガッシュはベタ塗り用またはイラスト向きです。
お好みで選んでください。

ただし、くれぐれも混ぜて買わないように。
初心者のうちは一緒に使うと、それぞれの長所、短所が分からなくなる可能性が大いにあります。

ケント紙

紙は、A4サイズのケント紙4枚入りで100円(税別)で売っていました。
これを半分に切って、A5サイズにしたら8枚も描けます。
これくらい描けば、もう相性は分かってくるはずで、好きか嫌いかハッキリしているはずです。

もっと本格的に描きたいと思ったら、絵の具はメーカー品の11mLや20mL入りチューブの12色セットなどを買い求めてはいかがでしょうか。
混色では作れないキレイな色がいっぱい入っているので、テンション上がりますよ♪

 

5.100均を早々に卒業すべき理由

アクリル絵の具と、アクリルガッシュの違い、長所と短所、相性などが分かったら、早々に百均の絵の具は卒業しましょう。
名の通ったメーカー品(リキテックス、ターナー、ホルベインなど)を買うことをオススメします。
色の種類の豊富さ、色合い、伸びのよさ、濃さなど、いずれも値段が高いなりの良さに気づけます。

 

100均を早々に卒業すべき理由を書きます。

①耐久性、耐光性に劣るから
100均のアクリル絵の具は染料系の顔料(色の素)を使っているので長期保存に向いていません。
あくまで練習用と割り切ってください。

②絵の具が薄い
いずれメーカー品のアクリル絵の具にステップアップしたいと考えていないなら構いませんが、考えている人は発色も濃度も全然違うので早めにメーカー品のものに慣れたほうがいいです。
100均のアクリル絵の具はチューブから出してもサラサラして水っぽいですが、メーカー品のはネットリしているので、水で溶くときはしっかり混ぜる必要があります。
色の伸びや描きやすさも違うので、やっぱり値段が高いだけのことはあると分かります。

③白の実力差が歴然
予算がなくて、どうしても100均を使いたいのであれば、白だけはメーカー品のものをオススメします。
とくに不透明の白であるチタニウムホワイトが有るのと無いのとでは雲泥の差です。

100均の白は薄すぎて隠蔽力が弱すぎです。
真っ白の細い線を描こうとしたらメチャクチャ苦労します。
何度描いても下の色が透けて、そのうち線がブレて汚い線になります。
その点、メーカー品のチタニウムホワイトはほぼ一発でキレイな線が引けます。

これと似たようなことが他の色でも起きるので、アクリル絵の具は面白い、相性がいいと分かったら100均絵の具は早々に卒業することをオススメします。

 

まとめ

この記事で説明した項目を再度載せます。

1.最低限必要な道具の種類
2.再び結論とその根拠
3.根拠の詳細
4.100均で買うべき最小限のもの(詳細)
5.100均を早々に卒業すべき理由

必要最低限必要なのは、アクリル絵の具、筆、筆洗い器、パレット、紙です。
これらは100均で全部揃えられます。

最初から道具セットで買わなくていい1番目の理由はアクリル絵の具との相性を見極めてからでも遅くないよというのが根拠です。
100均で最低限のは買えますし。

2番めの理由はアクリル絵の具か、アクリルガッシュか、迷う可能性があるからです。
100均なら両方買って試せますからね。

ただし、100均のはデメリットもあるので、アクリル絵の具の良さが分かったら、早々にメーカー品の12色セットなどにステップアップしたほうが作業効率もよくなります。

 

補足
筆者は別に100均の回し者じゃないので、予算に余裕のある人は最初からメーカー品を買っても全然OKです。
ただし両方の良さを知っていると便利ですよ、というのは申し添えておきます。

 

アクリル絵の具の長所と短所をまとめてみたので、よかったらどうぞ。
→ 「アクリル絵の具のメリット、デメリット

 

               (以上です)

 

-アクリル絵の具の基本

© 2024 アクリル絵の具で自由画人