風景画モチーフ別のコツ

風景画 森の描き方 外観と内側、簡単なコツも

 

森を描く場合、外側から見たのと、内側から見るのとでは描き方のコツが違ってきます。
またデジ絵なら1本の木を描いてコピペを繰り返せば、それなりになりますが、アナログの場合、1本1本描いていたら時間はいくらあっても足りません。
基本と共に省エネ、手を抜く方法なども合わせて解説してみます。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.森を外側から見た場合のコツ
2.森を上空から見た場合のコツ
3.森を内側から見た場合のコツ
4.まとめ

 

それでは個別に解説していきます。

1.森を外側から見た場合のコツ

近くの森は木を詳しく描き込み、遠くの森はザッと塗ります。
木の形は卵型、円すい、円柱などがあります。
葉っぱの付き方は、木を拡大して見ると、枝の先端は葉っぱが綿菓子型に集まって丸いグループを作っていることが多く、グループどうしが集まると、さらに大きな綿菓子型になってします。

針葉樹の場合は円すい型ですね。
何層も重なる富士山をイメージしてください。
上に行くほど直径が小さな富士山です。
上の富士山のすぐ下の部分が陰になり、かぶさっていない出っ張ってる部分が明るい緑になります。
それが下まで繰り返されるイメージです。
木全体としては太陽の反対側が濃くなります。
日向と日陰の間に中間色を挟むと、丸い円すい型をイメージしてもらえます。

森の木は頂上が丸いのか尖ったのか2種類を押さえておけば、大抵なんとかなります。
塗り方はブドウの房をひっくり返した形をイメージしてください。
太陽の方向を意識して、粒1つ1つの陰の部分をザザッと塗り、輪郭や明るい部分のヘリは筆を尖らせて点描みたく塗ることで葉っぱの先端を表現できます。

遠くの森は細部を描き込まず、1色か2色でザッと塗ります。

 

2.森を上空から見た場合のコツ

近くの森のモコモコ感、木の頂上の丸い頭や尖った頭が連なる様子を描きたいときは、木の1番上の部分を明るい色にして、次に太陽のある側のサイドをやや明るめにして、その下の部分を少しだけ暗くします。丸い周縁の部分はしっかり暗くします。

遠くの山は連なっていることが多いと思います。横長の小さな波が連続しているイメージです。手前ほど上下の幅や高さがあり、奥にいくほど上下の幅が狭くなります。

距離が遠くなるにつれて緑→青緑→青→薄い水色、または白っぽい灰色へと変化していきます。

 

3.森を内側から見た場合のコツ

ドイツなどの寒冷な地域の森の場合を想定して解説します。

馬にまたがる騎士や狼が出てきそうな森は背の高い針葉樹林です。
行く手をはばむような低木・灌木(かんぼく)がほとんどなく、温かい時期に足首くらいまでの下草が生えているくらいです。
冬の寒さが厳しいからでしょうか。

幹は太くまっすぐ伸びて、地上から5~10mくらいは幹だけが奥まで続いています。
葉っぱの始まる高さがすべて同じ場合、遠近法の理屈で遠くの木ほど低い場所から生えているように見えます。

木と木の間隔も遠くほど密集しています。
手前の木は太く、間隔を開けて描き、遠くは細く低く密集させて描くと不自然さが出にくくなります。

地面は足首くらいまでの高さの柔らかそうな下草が所々生えているイメージです。

また陽の光が射し込みにくいので、黒い森と言われるように昼間でも薄暗くなっています。

 

4.まとめ

①森を外側から見た場合のコツ
近くの森は1本1本の木が分かるくらいに描き込む。
森の木は頂上が丸いのか尖ったのか2種類がほとんど。
丸いのは綿菓子型、尖ったのは円すい型。
塗り方はブドウの房をひっくり返した形をイメージして、太陽の反対側に陰を入れる。
遠くの森は細部を描き込まず、1色か2色でザッと塗ります。

 

②森を上空から見た場合のコツ
近くの森のモコモコ感、木の頂上の丸い頭や尖った頭が連なる様子を描きたいときは、まず木の頂上を明るい色にして、次に太陽のある側のサイドをやや明るめ、反対側を少し暗くします。
丸い周縁の部分はしっかり暗くします。
遠くの山は横長の小さな波がこちらに連続してくるイメージ。
手前ほど上下の幅や高さがあり、奥にいくほど上下の幅が狭くなる。
距離が遠くなるにつれて緑→青緑→青→薄い色へとかすれていきます。

 

③森を内側から見た場合のコツ
馬にまたがる騎士や狼が出てきそうな森はほとんどが針葉樹だけで、低木や灌木はありません。
遠近法にのっとり、手前の木は太く、間隔を開けて描き、遠くは細く低く密集させて描きます。
地面は足首くらいまでの高さの柔らかそうな下草が所々生えているだけです。
光が射し込みにくいので、地面付近は黒い森と言われるように昼間でも薄暗くなっています。

 

            (今回は以上です)

 

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