画材・道具

■デスケルのサイズ、比率、使い方

2021年11月21日

デスケル,サイズ,比率

デスケルとはデッサンスケールの略。
デッサンやスケッチなどをするとき、簡易的な測量をするのに便利な透明な枠で、ホルベイン画材株式会社の商品名です。

自作できなくもない簡単な構造ですが、500円前後という目玉が飛び出すほどの値段じゃないので、やはり製品のほうがしっかりしているし便利な部分はあります。

この記事では縦横の比率、サイズ、使い方を解説します。

 

この記事では以下の項目を解説します。

1.デスケルの比率
2.デスケルの使い方
①基本的な使い方
②初心者むけの全てお任せ的な使い方
③モチーフ(対象物)の中心点を見つける
3.風景の構図、フレーミング、トリミング
4.トリミングスケール

 

では、個別に解説していきます。

1.デスケルの比率

Fサイズ=1:1.236

Dサイズ=1:1.3

Bサイズ=1:√2(1.4142……)

木炭紙なら1.3のDサイズを選びましょう。
Bサイズ(B4とかB3とかいわれる日本の紙の規格)の用紙に描くなら、√2のほうを選びましょう。

キャンバスに描くならFサイズを選んだほうがいいですが、小さな画材店だと取り寄せになるかもしれません。
大抵はDかBで間に合うはずです。

 

2.デスケルの使い方

① 基本的な使い方

・対象物に対して、直角になるように持つ
→斜めにすると測量が狂うから

・手を伸縮させてフレーミングする
→石膏像デッサンの場合、余白を小さくしたいなら腕を伸ばし、余白を大きくしたいなら目に近づけます。

 

②初心者むけの全てお任せ的な使い方

手順の説明です

1)中心決めと4ブロック分け
デスケルは中央に太めの線で十字が引かれています。
縦横の中心線です。
同じように画面(紙やキャンバス)にも中心線を引きます。
これで画面が4つのブロックに分かれます。

2)16ブロック分け
デスケルには細い線もあり、これで16ブロックに分けられています。
同じように画面上に細い線を引いて16ブロックに分けます。

3)交点を参考に点を打つ
石膏デッサンの場合、輪郭を描くのを例にとると、石膏像の輪郭線と、デスケルの16ブロックに分ける線(以下、ガイド線と略します)との交点を見つけます。
それを画面に打ちます。
時計回りでも反時計回りでもいいですから、一通り写す感覚で点を打っていきます。

4)点と点を繋いで輪郭線にします。
大抵は曲線になっているはずですので、膨らみや凹みがどうなっているかデスケルを通して見ながら、写していきます。

5)顔のパーツの位置決め
輪郭が終わったら、顔や鼻、口、耳などもどのブロックのどの辺りにあるか、デスケルのガイド線のどの辺りで交差しているかを見ながら、まず点を打ち、その後で点を繋いでいきます。

6)自分の目でチェック
一通り描き写したら、デスケルを脇に置いて、自分の目で不自然さや歪みがないかチェックします。
OKであれば、陰影を付ける作業に入ります。

 

※この描き方はデスケルの言いなりなので、いつまでもコレに頼っていては、自分の目で見る、形を取るということができなくなります。
あくまで初期の練習と考えていたほうがいいでしょう。

 

③モチーフ(対象物)の中心点を見つける

石膏像の中心を見つけるのは意外と難しいものです。コレはデスケルでなくても、鉛筆や定規でも測量できます。
片目をつぶって、手を伸ばして鉛筆などで計るやり方です。
でもデスケルだと一発で分かります。

石膏像の中心点が分かったら、画面の中心が交点になるような十字を引いて、そこに石膏像の目印となるようなものをほんの少しでいいので描き込みます。

次に大きな十字と輪郭線との交点を4箇所、点を打ちます。
あとは自分の目で見て、輪郭線や目、鼻などを薄く描いていきます。
以降は普通のデッサンのやり方と同じです。

 

3.風景の構図、フレーミング、トリミング

いい風景に出会えたとします。
絵に描こうとしたら、おそらく全てを画面(紙やキャンバス)に収めるのは難しいはずです。
とくにパノラマが広がっている場合は、限られた角度のものしか画面に入りません。
取捨選択の必要が出てきたときに役立つのがデスケルです。

素晴らしい風景をなるべく詰め込みたいなら、デスケルをメガネのように近づけます。
主役となるモチーフをアップで捉えたいなら、手を伸ばして見るようにします。
腕を伸ばしたり縮めたりするのはカメラのズームと似ています。

さらに左右に動かしてみると、構図を考えるキッカケになります。
主役となるモチーフがど真ん中では日の丸構図といってツマラナイ見本のような構図になるかもしれません。

また上下にも動かしてみましょう。
空を大きくするか、地面を大きくするか。
これも何度か往復していると、ちょうどいい頃合いが見つかるでしょう。
分からなかったら、3分割構図にしましょう。

三分割構図

決まったら、メモでもいいので、どこかに記録しましょう。
なければスマホで似たようなフレーミング(枠決め)で撮影します。
スマホ画像と画面(紙やキャンバス)の縦横比は異なるのが普通なので、中心点だけは合わせるように撮影しましょう。
そうすれば後で再現しやすいはずです。

 

4.トリミングスケール

デスケルと似たようなものにトリミングスケールもあります。
こちらはL字型のフレームが2個セットになったものです。
2つのLをを組み合わせて、自分で長方形を作ってデスケルのように使います。

自由に動かせるので縦横比を変えるのも、大きさを変えるのも自由自在です
。自由すぎて不自由を感じるかもしれません。
デスケルがあれば、大抵は間に合うので、まずはデスケルを買うか自作するといいでしょう。

 

               (以上です)

 

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