絵のお悩み解決

■海の水面の描き方、基本とコツ5選

2021年10月23日

海面、水面の描き方

例えば、海の絵を描くとき、何かイマイチ本物っぽくないなぁと感じたことはありませんか?
そういうときに知っておくと役立つかもしれない便利な基本とコツをお伝えします。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.太陽の位置でグラデーションの方向が異なる
2.遠近法を踏まえる
3.波の盛り上がっている部分の周りは凹んでいる
4.静かな水面は空を映す鏡。空の色の影響を受ける
5.水平線は季節や天気でボカシたり、クッキリ描いたりして変える

 

それでは個別に解説していきます。

1.太陽の位置でグラデーションの方向が異なる

海、水面

太陽が背中側にあるとき、海は手前が明るく、水平線近くは濃い青になります。
どこかに境目があるのではなく、グラデーションで徐々に色を変化させます。

逆に、太陽が海の上、正面側にあるとき、水平線近くは太陽の反射光で白っぽく、手前側は濃い青になります。
もちろん岸の近くはやや緑がかったエメラルドグリーンに近い明るい色になります。
ただし崖の近くの水深があるところや北の寒い海では緑がかるのは少なめになります。

本物の海は潮目というのでしょうか、ある所を境に色がガラリと変わる場合があります。
ですが、それを絵画で表現すると不自然になるかもしれません。
説得力のある質感を表現できるのであれば、その通りに描いてもいいですが、自信がなければグラデーションにするほうが無難です。

 

2.遠近法を踏まえる

海、水面、光る

波やうねり、太陽の光の粒は、遠くは小さく密集、近くは大きく上下の間隔が空いています。

遠近法は遠くのものほど小さく密集しているように見えるという原則があります。
それと同じで、波が等間隔で並んでいたとする場合、横の位置関係も、縦の位置関係も、密になります。
手前に近づくにつれて波の間隔が大きくなってきます。
海底が浅くなるので、波自体も大きくなります。

これは太陽の反射光(水面に映る光の粒)にも言えることで、水平線近くは白く塗りつぶされているくらいに見えたのが、少しずつ間隔が空いて、光の粒も大きくなります。

 

3.波の盛り上がっている部分の周りは凹んでいる

海、水面、波

波は真っ平らな水面に突然そこだけ盛り上がっている訳ではありません。
周囲の水をかき集めて盛り上がっているのです。
なので、波の足元の水面は凹んでいます。

厳密にいうと波の岸側が多めに凹み、沖側は海面が少し高くなっています。
サーフィンやったことある人なら分かると思います。
そこそこ波の高い日に海水浴をした経験がある人も分かるのではないでしょうか。

太陽の位置を意識しながら、凹んだ部分には陰をつけ、波の太陽が当たる部分には明るい色を置きましょう。

 

4.静かな水面は空を映す鏡。空の色の影響を受ける

海、水面、鏡

海、水面、鏡2

まったく波やうねりのない真っ平らな海面というのはほぼないですが、それでも静かなときは水面が雲を映すことはよくあります。

極端な例でいうと、太陽が背中側にあって、真っ白な入道雲が水平線近くにあると、入道雲の反射した光がコチラ側に向かって白いスジみたいに水面に映ることもあります。

雲だけでなく、空の天気の色は海面に影響を与えます。
曇り空のときは海の色もどんよりと深い色になりますし、快晴のときは明るい色になります。
冬の鉛色の空なら海の色も灰色がかった重い色になります。

空の色と海の色は関係しており、かけ離れていると不自然な感じになります。

 

5.水平線は季節や天気でボカシたり、クッキリ描いたりして変える

海、水面、水平線

水平線は天気がいい日に必ずクッキリとしている訳ではありません。
水蒸気が多いときは夏の快晴のときでもぼんやりとしたものになります。
そこは見たまま忠実に再現するのか、スカッとした夏の海を描きたいので水平線をクッキリ描くのかはディレクターであるアナタ次第です。

冬のどんよりした天気のときは、水平線もぼんやりしていることが多いですが、海だけクッキリと水平線まで見えるときもあるので一概には言えません。
絵のテーマを考えながら選択しましょう。

海や水面とは関係ありませんが、水平線のすぐ上をぼんやりした色にするのもポイントです。
その辺りが一番空気の層が厚く見える部分なので、空気遠近法の原則通り、ぼんやりと霞んで見えるのです。
だから入道雲が水平線の辺りまでクッキリとした縁取りで描いてあるとしたら、不自然な感じがするかもしれません。
根本の部分は灰色っぽくするか、海の色に近づけるようにしたほうがいいでしょう。

 

まとめ

この記事で説明した項目の一覧を再度載せます。

1.太陽の位置でグラデーションの方向が異なる
2.遠近法を踏まえる
3.波の盛り上がっている部分の周りは凹んでいる
4.静かな水面は空を映す鏡。空の色の影響を受ける
5.水平線は季節や天気でボカシたり、クッキリ描いたりして変える

 

太陽の位置や季節、水深によって色を変える理屈やコツは覚えておくと便利なので、ぜひ押さえていってください。
また静かな海の波というかウネリは平たいお皿の形の連続になるので、遠くにいくほど小さく横長になり、手前ほど大きく円形に近くなります。
また水面は鏡の効果もあるので、空や雲、天気から色の影響を受けます。

海の表情は千変万化なので全てに対応できる描き方はありませんが、上記の基本やコツを知っておくと不自然さは減らせるはずです。
海の表情を数多く見て、気に入った画像があればストックしておくと後で役立ちますよ♪

 

               (以上です)

 

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