画材・道具

野外スケッチ 必要なもの、道具、場所選びなど

2022年1月29日

野外スケッチ

先日、見晴らしのいい所で景色を眺めていたら、親子連れが来て、娘さんがスケッチを始めました。
紐のついた画板を首から下げて、板の手前をお腹で支えて、一生懸命に描いていました。
懐かしくて、あ~、あったあったと内心嬉しくなりました。

さて、屋外でスケッチしようと思い立ったら、道具の準備が必要になります。
現場に着いて「あ、忘れた」となるのは避けたいですよね。

鉛筆デッサンではなく、アクリル絵の具を使ったスケッチを前提に、必要なものなどを挙げてみます。
水彩絵の具が好きな方は読み替えてください。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.必要な道具
2.場所選び
3.野外スケッチのマナー

 

それでは個別に解説していきます。

1.必要な道具

車で行くか、徒歩や電車で行くかによって持ち運べる道具は変わってきますので、重要な道具、必須の道具から順に書き出してみます。

あったほうがいいもの、なくても困らないけどあれば便利なものなども挙げてみました。

 

①必須の道具

スケッチブック、アクリル絵の具、筆、パレット、筆洗い用のペットボトルなどの密閉容器、水、古布かキッチンペーパー

・ スケッチブックはブロック式もありますが、やはりリング式が取り回しは楽で便利です。

・ パレットはペーパーパレットも軽いので便利ですが、水を多めに使う場合は100均の簡易パレットというペット樹脂のタイプが4枚入りであります。

・ 水は必須です。現場に蛇口がないかもしれないので当てにせず持っていったほうが安心です。
絵の具を溶く用の水と、筆洗い用の水が必要です。
水自体を分ける必要はないですが、容器は2つあったほうが便利です。

・ 筆洗い器はペットボトルか密閉できる容器をオススメします。
筆を洗って汚れた水は絶対に「持ち帰って」ください。
アクリル絵の具は水に溶けたプラスチックと同じです。
トイレや排水溝、下水があっても流してはいけません。
水彩絵の具も止めましょう。
最低限のマナーです。

・ 筆を洗う前にアクリル絵の具を拭う古布かキッチンペーパーがあると、筆洗い用の水が濁るのを遅くできます。

 

②あると便利なもの

イーゼル、携帯イス

イーゼル、折りたたみ椅子、レジャーシート、筆立て、デスケル、帽子、サングラス、メモと鉛筆

・ イーゼルを使わず、手のひらサイズの画用紙に描くという選択もあります。
そのなりの大きさのスケッチブックに描く場合、太ももの上に置いて描くという方法もありますが、まあまあ疲れます。
動きも制限されますし、落として汚したら、大変です。
イーゼルは金属製で折りたたみ式のが4,000円前後で通販で売っています。
立って描くためには必須ですし、座って描くときはあると便利です。
屋外で使うなら風が怖いので上から押さえられる「キャンバス押さえ」がついているタイプが便利です。

・ レジャーシートは占有や場所取りのためではありません。
絵の具をこぼして地面を汚さないためです。
我が物顔で広げるのは止めましょう。

・ 筆立ては塗り終えた筆を置くためのもので、レジャーシートや新聞紙などに直に置いても構いませんが、気になる人はペン立てみたいなものか筆置きがあるといいでしょう。

デスケル,サイズ,比率
・ デスケルは四角い照準みたいなものです。人差し指と親指を直角にしたものを両手で長方形にして代用できますが、モチーフの中央を見極めたり、正確な縮小をしたりするときにあれば便利です。

・ 帽子もサングラスも日焼け対策です。
屋外スケッチを思い立ったくらいですから天気がいいはずです。
光が強すぎて見にくい場合にもサングラスがあれば便利です。
目の日焼け帽子にもなります。
でも色を塗るときは裸眼で確認したほうが間違いないです。

・ メモ帳と鉛筆は下書き用です。
メモ帳なしで本番の画用紙、スケッチブックに鉛筆で下書きしても構いませんが、メモ帳だともっと気楽に構図などの試行錯誤ができます。
本番の画面の下書きは、鉛筆でもいいし、すごく薄めた絵の具でもいいので、お好みで使い分けてください。

 

③なくてもいいけど一応あるといいもの

日傘、虫除けスプレーか携帯式蚊取り線香、クリップ

・ 日焼けが気になる女性は日陰があればいいですが、無ければ日傘も考えなくてはいけないと思います。
でも日傘は一長一短ですね。邪魔になることもあります。
お好みで判断してください。

・ 冬以外であれば屋外はけっこう虫が居たりします。気になる方はご用意ください。

・ クリップは風で紙がめくれるのを抑えるためのものです。
突然の風でめくれて不本意な所にアクリル絵の具が付かないとも限らないのであると安心です。

 

2.場所選び

スケッチ、道具

①安全第一
他の人の邪魔にならない所が大前提です。
人通りが多い所も集中しにくいかもしれません。
通路にイーゼルを広げるのは止めましょう。
足を引っ掛けられてイーゼルが倒れたら、歩行者のせいではなく自分のせいと肝に銘じましょう。
公園で子供のボールが飛んできて、イーゼルが倒れても同様です。
自分の読みが甘かったと諦めましょう。

あと歩道の端でイーゼルを使わずに立って描くのもけっこう迷惑だったりします。
通路や歩道に荷物を置くのも止めましょう。

 

②トイレの確保
1時間以内で書き上げる技術があれば、そんなに気にしなくてもいいんでしょうけど、やはりトイレが近くにないと不安になるかもしれません。
水の補給もできますので、トイレがあるに越したことはないでしょう。

 

③オススメの場所
手頃な所からだんだんハードルが上がる順番で書いてみます。

公園、町並み、神社仏閣、川や堤防、線路のあるところ、海岸、田畑のあるところ、高台、渓流、キャンプ場、滝、草原、山並みが遠くまで見えるところ、あと景勝地全般……などでしょうか。

※ハードルの順番は人それぞれでしょうけど、意外と近所にスケッチポイントはたくさんあるものです。
発想の転換で見つけてみましょう。
美を見つけるトレーニングにもなります。

 

3.野外スケッチのマナー

上記とカブる点もありますが、必要なことなので記します。

・通行人の邪魔になる場所で描かない

・通路で描かない。荷物を置かない

・皆が使う公園などで専有しない
→レジャーシートなどをデカデカと広げない

・使用後の水、アクリル絵の具が溶けた水を捨てない
→マジで迷惑、厳禁です。持ち帰りましょう。

・観光地、景勝地などで民家を描かない

 

※神社仏閣は一言声をかけるか、許可をとったほうが無難です。

※観光地で民家を描くのは止めたほうがいいです。
とくに場所が特定されるような描き方、構図は止めましょう。
所有者が迷惑します。
逆の立場で考えれば分かりますが、ご自分の家を見知らぬ誰かがスケッチしていたら気味が悪くないですか?

 

 

補足1
帰宅したら速攻で筆とパレットを洗ってください。
パレットは使い捨てタイプなら構いませんが、筆は他の用事をして忘れると微妙に残っていたアクリル絵の具のせいで、穂先が開いちゃいます。

 

補足2
今回のテーマとちょっと違いますが、1~2時間もかけるスケッチではなくて、数分間で描くクロッキーというのもあります。
ボールペンで描く線画です。
これならカフェや店内、駅構内、電車の中などあらゆる場所が候補になります。
最近、描く時間がないという人にオススメです。
3~5分間ほどあれば描けますよ♪

 

               (以上です)

 

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