構図とは対象物または色の配置、画面の構成。視線を誘導し、テーマを伝える仕掛け、骨組みのこと。
思いつきやイメージを作品へ昇華させるための設計図の一種です。
いい構図、魅力的な構図とは
まず作者の意図、テーマが伝わること。
主なモチーフ(題材)へ視線誘導できているもの。
次に全体的なバランスがいい、見ていて落ち着く、安定感・安心感がある、心地よい、長く見ていられるなど鑑賞者に心理的メリットを与えるもの。
ただし作者のテーマが戦争反対など不安や恐怖、悲しみなどと切り離せないものであるとき、心理的メリットは複雑なものになります。
この記事で説明する構図の一覧です。
絶対に押さえておきたい基本的な構図7選
1.黄金比 |
それでは個別に解説していきます
1.黄金比
辺の長さの比が1:1.618…になる黄金長方形から、短辺を1辺とする正方形を切り取ると、黄金比の長方形が残ります。
残った長方形の中にある正方形を切り取ると、また黄金比の長方形が残ります。
これを繰り返すことで長方形の短辺の一方の角から始まる90度の円(弧)がカタツムリの殻のような螺旋を描くことになります。
視線は大きな曲線から螺旋の一番小さい所へ誘導されるので、モチーフのとくに訴えたい部分をそこに配置するのがコツです。
すると目が釘付けになります。
フィメールの「真珠の首飾りの少女」は左目に、レオナルド・ダ・ビンチの「モナ・リザ」は口元に配置されています。
虜になったように目を離せなくなるのも道理なのです。
2.三分割法
2種類あります。
① 横に3分割したもの
近景、中景、遠景。
例えば、砂浜→海→空。広場→建物→空など。
均等に三等分するより、一番訴えたいどれかの幅をやや広く取るのがコツです。
② 縦も3分割して、画面を9分割したもの
モチーフを中央のコマに配置するのではなく、分割線の交点のいずれかに配置するもの。
よく使われる構図なので見る人が見ると、またかと思われますが、まずは徹底して使って自分のものにしてください。
一番先にマスターすべき構図であると言えます。
まずはスマホのカメラに9分割のガイド線を表示させて、人でも風景でもこの構図でいっぱい撮影するのがコツです。
体に叩き込みましょう。
3.三角構図
モチーフをピラミッド型の三角形になるように配置したもの。
逆三角形や横にした三角形もあります。
静物画のときは基本中の基本となる構図です。
4.対角線構図
一つのモチーフの線が対角線にあるもの、または複数のモチーフを対角線上に配置したもの。
左上から右下、または左下から右上への強い線を感じさせるものなどがあります。
5.放射線構図
クロード・モネ「Rue de la Bavole, Honfleur」
一点から放射状に広がる構図。
例えば、水平線の一点から放射状に広がる道路、線路など。
あと幹から広がる枝、茎から広がる葉、大きな構造物の中の鉄骨などがあります。
6.二分割法(シンメトリー構図)
上下、または左右に画面が分割された構図。
さらに上下まはた左右が対称になっているのはシンメトリー構図と呼びます。
上下対称は水面に映る木々、建物など。
ウユニ塩湖が有名ですね。
左右対称はエッフェル塔など背の高いモチーフを中央に配置し、左右が対称になったものなどがあります。
7.アルファベット構図
SやC、Zなどのアルファベットを想起させる強い線のあるモチーフを大胆に配置したもの。
例えばSやZ字型に曲がった川や道路は奥行きを感じさせます。
(番外)日の丸構図
真ん中にモチーフを配置したもの。
初心者のうちは何も考えずに配置した素人の構図と思われる可能性もあるので、よっぽど自信のあるとき以外は使わないほうが無難です。ただし自信があれば堂々と使うべきだし、もっとも強く主題を訴えることができる構図でもあります。
中央から少しズラすだけでも雰囲気は変わるので、試行錯誤しながら配置してみると面白くなります。
(以上です)