絵のお悩み解決

■人物画、身体の簡単な描き方、アタリの取り方、正面と斜め

2021年11月27日

人物画,身体,アタリ,比率,バランス
※7頭身の足の長さ、比率の例

 

想像で人物を描くと、腕や首、胴体などのパーツが長すぎたり短すぎたりしておかしくなりがちな人のお役に立てるかもしれない情報をまとめてみました。

モデルさんがいればポーズをとってもらって観察して描けるのですが、そうそう何度もお願いする訳にはいきませんよね。
デッサン人形にポーズを取らせても、いまいちイメージどおりの姿勢にできないことも多いのではないでしょうか。

想像上の人物などを描こうと思ったら、ある程度は下調べするとしても、結局は自分でバランスをチェックするしかありません。
そんなときに身体の比率、バランスの基礎知識があるだけで、ずいぶんと助かるものです。
身体の描き方の基本、アタリの取り方を押さえておきましょう。

※ここでは7頭身の人を想定して書いています。

※この記事はデッサンや絵画を描く人むけです。
イラストや漫画の場合、やたら足が長かったり、頭が大きかったりするので、お役に立てないかもしれませんが、基本となる考え方は使えるはずなので、よかったら参考までに読んでいってください。

 

この記事で解説する項目の一覧です。

1.体のバランス、比率、アタリの目安
①何頭身か
②足の長さ
③各パーツの比率

2.斜めから見た体の描き方
①上半身と下半身のS字
②遠近法

 

それでは個別に解説していきます。

1.体のバランス、比率、アタリの目安

① 何頭身か

平均すると日本人は7頭身、西洋人は8頭身らしいです。
『え~、日本人、いつの間にそんなに足が長くなったの?』と筆者は思ってしまいました。
そう言われれば、最近の若い人は手足が長いですからね。

とはいっても、やはり身長の低い人は頭身も小さくなるので、そこは調整するしかありません。
それでも6頭身より小さくなると、けっこう背が低く感じます。

感覚は人によって違いますので、試行錯誤して、ほどよいところを見つけてください。

 

②足の長さ

・ 背の低い東洋人
→足の長さ=肩から股間の長さ

・ 西洋人、背の高い東洋人
→足の長さ=目から股間の長さ

足は長いほうがカッコいいですけど、あまり長くすると現実離れするので、そこそこにしておきましょう。

今、手元にあるデッサン人形で測ったら、
7.8頭身(8頭身弱)
足の長さ=頭頂部から股間の長さ
……でした。

西洋人でもここまで足が長い人は珍しいので、ちょっとやり過ぎな感じがします。
イラストや漫画を描く人にはいいかもしれませんね。

 

③各パーツの比率(7頭身)

・ 目から股間の長さ=足の長さ

・ 体の高さの中心=股間の少し上

・ 頭の縦の長さx2=肩幅

・ 両手を広げた長さ=身長

・ 頭頂部~肩=肩~ヘソ

・ 肘とヘソは同じ地面から高さ

・ 手首と股間は地面から同じ高さ

・ 指先を下に伸ばしたら、股間と膝の中央あたり

・ 肩の上辺~肘=肘~手首

・ 股間~膝=膝~足首

・ 足首~床の長さx3=膝~足首

※あくまで目安ですので、アタリを取りながら調整してください

 

2.斜めから見た体の描き方

①上半身と下半身のS字

背骨は真横から見ると湾曲しています。
首が前傾しているので、その流れで心臓の辺りが一番後ろにきて、その後、下腹部に向かって前に出て、真ん中に戻って骨盤に入ります。

心臓の辺りが一番後ろになっているのですが、肋骨があるので、表面上は一番前に突き出ている部分でもあります。
横から見ると心臓の辺りが一番、胸が厚いので、やっぱり守っているんでしょうね。

で、皮膚の表面で見たとき、喉元から徐々に前に突き出て、弧を描いて骨盤に入ります。
太ももは大腿骨が前側に反っているし、筋肉が大きいので前に出ており、膝からふくらはぎにかけて後ろに弧を描くような感じになります。

上半身と下半身で2つのS字でアタリを取ってみると、斜めから見た姿が描きやすくなります。

 

②遠近法

身体,バランス,アタリ,線遠近法
※人物にも線遠近法は当てはまります。

 

斜めから見た姿を描きたいとき、まず直立した姿でアタリを取ります。
このとき線遠近法を利用します。

線遠近法は、平行する直線は水平線上の一点に収束するというものです。
水平線は観察者の目の高さです。
正面から見たとき、両目どうし、乳首どうし、腰骨、両膝、両足首を結ぶ線はすべて平行線になっています。

仮に観察者(アナタ)がモデルさんのヘソの高さから見ていたとします。
モデルさんは直立して、アナタの右肩の奥の方向を向いているとします。
モデルさんの左肩は遠くにあるので右肩より小さくなります。
両肩を結ぶ線の延長線はヘソの高さにある水平線上で交差します。
その点を消失点と呼びます。
両目どうしや乳首どうし、腰骨、両膝、両足首を結ぶ線も同じ消失点に収束します。

水平線より上の延長線は右下がりになり、水平線より下の延長線は右上がりになっているはずです。
そうでなければ、バランスが崩れています。
バランスをチェックして、OKなら関節を動かします。関節を支点にして回転させるイメージです。

※人物画にも線遠近法が当てはまる辺りのコツは以下で詳しく解説していますので、よかったらどうぞ。
絵の超初心者むけ練習法、上達法(後編)

 

 

補足
100均で買ったデッサン人形は税抜300円でした。
デッサン人形のアプリもありますが、操作方法に慣れずなかなか思うようなポーズを取らせることができなくて諦めた記憶があります。

デッサン人形アプリを使いこなせたとしても、この記事にある基礎を理解してないと、やはりどこかでバランスが崩れる可能性があるので、お時間のあるときに再読することをオススします。

 

               (以上です)

 

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