アクリル絵の具に加える水の量や、水で薄める場合の割合をこの記事では解説します。
結論を先に書きます。その後で解説します。
アクリル絵の具と水の割合
標準=1:0.5
油絵風=1:0
水彩画風=1:1
注意)水が多すぎるとアクリル樹脂エマルジョンが壊れる
割合を数字で言われても分からないよという声もありそうですが、ご安心ください。
後で例えを使って説明します。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.アクリル絵の具と水の割合(数値) |
それでは個別に解説していきます。
1.アクリル絵の具と水の割合(数値)
アクリル絵の具を水で溶くときの水の量は、どういう画風で描きたいかで変わってきます。
アクリル絵の具と水の割合は
油絵風なら 1:0
透明水彩風なら1:1
というのが一つの目安です。
でも実際にやってみると、この水の量0~1が実はすごく幅が広いことに気づくはずです。
一般的にはアクリル絵の具と水の割合は
中央値である、1:0.5
といわれていますが、絶対的なものではないので、自分のお好みで調整してください。
水で溶くときはスポイトが便利です。
1滴ずつ足していけるので微妙な加減がしやすくなります。
スポイトは100均でも売っています。
油絵風にしたいとき、水をまったく入れないで描くと、ねちゃねちゃしてまあまあ大変です。
そういうときは1滴ずつ水を足して柔らかくするという方法もありますが、いっそ筆で塗らずにペインティングナイフを使うという方法があります。
これだと金属のヘラなので粘性に負けずに伸ばすことも、グイグイ盛り上げることもできます。
2.アクリル絵の具と水の割合(例え)
1:0.5とか数値で言っても分かりにくい場合は、以下に例えられます。
・柔らかいヨーグルトやマヨネーズ
・濃いめのポタージュスープ
・とろとろの状態
・溶いた筆を持ち上げても垂れない程度
・溶き終えた絵の具についた筆の跡が数秒で消える……等
上記のように、いろんな例えがあります。
しかし、口で言っても実際に体感しないと分かりません。
百聞は一見にしかず。
まずは濃いめに溶いて、少しずつ水を足して、自分なりの濃度を見つけてください。
そのうち慣れるとムラになりにくい濃度も分かってきます。
3. 100均アクリル絵の具の場合
リキテックスやホルベイン、ターナーなどのいわゆるメーカー品と異なり、100均のアクリル絵の具はチューブから出したままでも、けっこう薄いんです。
サラサラしています。
メーカー品に慣れた人が100均のアクリル絵の具を使うときは、水を少なめで溶くか、水を使わないほうがいいかもしれません。
4.薄めすぎ注意
薄める水が多すぎるとアクリル樹脂エマルジョンが壊れます。
壊れると濁った変な感じになってしまいます。
アクリル絵の具の原料は、顔料+アクリル樹脂エマルジョンです。
アクリル樹脂エマルジョンとはアクリル樹脂を水溶性にしたものという意味です。
これは接着剤の役割を果たし、乾くと透明で強固な皮膜になるので、アクリル絵の具が耐水性の性質を持つ理由になっています。
メーカーはアクリル絵の具と水の割合で、水のほうが多くならないことを推奨していますが、ある程度まではアクリル樹脂エマルジョンが壊れるということはないようです。
しかし、1:10みたいにあまりに大量の水で溶くと、アクリル樹脂エマルジョンの結束が弱くなり、顔料が剥き出しになるので耐水性が弱くなります。
それに薄め過ぎたアクリル絵の具は輪染みになります。
乾くと輪っかのシミができる現象です。
均一に塗れないばかりか、くすんで見た目も悪いので避けましょう。
5.かなり薄くしたいときに便利な添加剤
どうしても非常に薄くしたいときは水ではなく、添加剤の一種であるメディウムを使いましょう。
ペインティングメディウムは水の代わりに使えます。
これはアクリル絵の具に加えて、定着力を弱めずに絵の具を延ばしやすくする溶剤、添加剤です。
水彩絵の具みたいな淡い色調、薄い色で描きたいときに便利です。
またジェルメディウムというのもあります。
こちらはアクリル絵の具の粘度を薄めずに、透明感とツヤ、そしてボリューム(盛り上がり)感を出してくれます。
これを使えば、艶出し効果もあるので、くすんだ感じにもならず明るいまま薄くできます。
(以上です)