絵のお悩み解決

■ムラなく塗る方法、アクリル絵の具でムラの消し方・直し方のコツ7選

2021年11月17日

アクリル絵の具は色によって透明、半透明、不透明と分かれます。
透明色を広い面積に塗るとムラができて、なかなか消えずに困ってしまうことがあります。
この記事ではムラができる原因と解決方法、ムラなく塗るコツなどを解説していきます。

ちなみにアクリル絵の具とアクリルガッシュは別物です。
アクリルガッシュはムラのできにくい絵の具ですので、ココではアクリル絵の具について書きます。

 

この記事で説明する一覧です

1.アクリル絵の具はムラができて当然
2.ムラができる原因
3.ムラの消し方・直し方のコツ7選
①しっかり均一に溶く
②濃度、水加減を調整する
③筆圧に注意する
④何度も重ね塗りする  ★1番大事!
⑤縦横、クロスするように塗る
⑥不透明色を混ぜる
⑦アクリルガッシュの力を借りる

 

それでは個別に解説していきます。

1.アクリル絵の具はムラができて当然

アクリル絵の具の長所の1つは透明色があるという点です。
乾けば耐水性があるので何度でも重ね塗りできますし、透明感のある色を重ねていくと深みのある色合いを出せます。

これは混色では出せない色になり、「光学的な混色」と呼ばれています。
カラーセロファンを何枚も重ねてできた色をあらかじめパレットで混ぜて作った「物理的な混色」で再現しようとしても難しいのと同じです。

しかし、透明感のある色はデメリットもあります。
下の色が透けて見えるため、アクリル絵の具が多く乗った所と、そうでない所では濃度の差がでてしまい、ムラになることです。

このデメリットを解消するために生まれたのがアクリルガッシュです。
アクリルガッシュはベタッとした均一の塗り方に適しています。
イラストやアニメみたいな着色でいいなら、アクリルガッシュのほうが適しています。
色紙を貼り付けたような画風をお望みならアクリルガッシュがオススメです。

ただし透明感を活かしたり、色に深みを出したり、繊細なグラデーションで描きたいならアクリル絵の具のほうが優れています。
色の奥行き、深さを表現するなら、アクリル絵の具がオススメです。

 

2.ムラができる原因

考えられる原因を列挙します。

・ そもそも絵の具をしっかり均等に溶いてなかった

・ アクリル絵の具の溶き方、水加減が濃すぎる、薄すぎる

・濃く色が乗った所と、そうでない所がある

・ 筆圧が強すぎて、筆を動かすときにアクリル絵の具が脇に流れて、中央部分は薄くなる。

・ そのため脇に流れて土手のように高くなって、そのまま乾いてしまった

・ 画面の端の外から端の外まで一気に塗ってない →画面の途中から塗り始めるので、そこだけ濃くなる

・ 平行に筆を動かして塗るとき、重なっている部分は当然ながら濃くなる

 

3.ムラの消し方・直し方のコツ7選

目次でも書きましたが、ムラの消し方・直し方のコツを再度書きます。

①しっかり均一に溶く
②濃度、水加減を調整する
③筆圧に注意する
④何度も重ね塗りする      ★1番大事!
⑤縦横、クロスするように塗る
⑥不透明色を混ぜる
⑦アクリルガッシュの力を借りる

 

それぞれ解説します。

①しっかり均一に溶く

100均のアクリル絵の具は薄くてサラサラしているので、水を加えれば、わりとすぐに均一に混ざります。
それでもしっかり溶かないと、塗る前から濃度にムラがある状態になります。

リキテックスやターナーなどのいわゆるメーカー品は濃いので、さらにしっかり水と混ぜましょう。
泡が立たないようにゆっくりじっくり混ぜるのがオススメです。

 

②濃度、水加減を調整する

ムラができたら、濃すぎるか薄すぎるかのどちらかを疑ってみてください。
溶くときはまずは濃いめに溶いて、少しずつ水を足して調整します。
水を足して薄くするのは簡単ですが、一度に水を入れすぎてやっぱり濃くしたいと思ったら大量の絵の具が必要になります。
なので、水はスポイトなどで少しずつ足しましょう。

これは筆者の好みですので参考程度に読んでください。
広い面積を塗るときはまず水を多めにして薄く溶いたアクリル絵の具を全体的にざっと塗ります。ドライヤーで乾かして、その後で普通の濃度で溶いたアクリル絵の具で塗ります。
最初に薄めのアクリル絵の具で塗る理由は土台を作るためです。
筆運びが楽になりますし、濃度の差が出にくいように感じます。

 

③筆圧に注意する

押さえつけるように塗ると、絵の具が脇に流れて、肝心の筆の真下は色が薄くなります。
また脇に流れた部分は放っておくと、そのまま乾いて土手みたいになって高くなり色が濃くなるので、重ね塗りしてもムラが消しにくくなります。筆はそっと撫でるように動かすのがコツです。

 

④何度も重ね塗りする  ★1番大事!

もうコレに尽きます。一番大事です。
一度塗ってムラになった場合、ムキになってムラを消そうとしても消えません。
それよりさっさとドライヤーで乾かして、二度目の塗りをしましょう。

アクリル絵の具はムラができるものだと割り切ってしまえば、気が楽になります。
画才とは関係ありません。
筆者は最初の頃、何度もムラになるので才能ないのではないかとひどく落胆したのですが、今ではまったくその必要はないと断言できます。

「重ね塗り上等だよ。10回でも100回でもやってやるよ~」と開き直りましょう。
そうしたら3~5回くらいでムラが目立たなくなります。 ^^;

 

⑤縦横、クロスするように塗る

広い面積を塗る場合、同じ方向へ平行して塗るだけでなく縦横に筆を動かします。
まず横方向で一通り塗ったらドライヤーで乾かして、次は縦方向に筆を動かして塗りましょう。
そしてまた乾かす。

これを1セットとして3セット繰り返せば、ムラはかなり見立たなくなっているはずです。

 

⑥不透明色を混ぜる

アクリル絵の具は色によって透明度が3種類に分かれます。
透明、半透明、不透明です。
同じ赤でも透明と不透明があります。

ムラは透明色を塗るときに多く発生します。
何度も重ね塗りするのが面倒なときは、一度不透明の白(チタニウムホワイト)を混ぜて塗ると、下の色を遮断(または隠蔽)できますので、その上に本来の塗りたい色を塗りましょう。
重ね塗りの回数を減らせます。

 

⑦アクリルガッシュの力を借りる

下の色を遮断する(隠蔽する)のが目的なら、アクリルガッシュを使うという手もあります。
上記のチタニウムホワイトを使うと白っぽくなるので嫌だというとき、本来の塗りたい色と同じアクリルガッシュを塗れば、あっさり遮断してくれるのでムラなく塗れます。
その上にアクリル絵の具を重ね塗りするかどうかはお好みで。

 

 

補足1
アクリルガッシュはベタ塗りや、ムラなく塗るのに適した絵の具ですが、耐久性がアクリル絵の具より劣るので、一時的な利用に向いています。
プレゼンのための資料や、デザイン関係などで重宝されています。
いずれも使い終わったら破棄されるので保存性は重視されていません。

よって長期保存や、人にプレゼントしたり販売したりする場合は、使わないほうが無難です。

 

補足2
水で溶くときの量は経験すればムラになりにくい濃度が分かってきます。
何度も重ね塗りするのも最初は大変かもしれませんが、そのうち慣れるので気長にやっていきましょう。

 

               (以上です)

 

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