デッサン用鉛筆のカッターナイフを使った削り方の解説です。
なぜ長く削るのかという疑問に、まずお答えすると倒して塗るためです。
文字を書くときの握り方では強く当たってしまい、薄く、うす~く塗るのが難しいんです。
普通の削り方だとあまり倒せないので、長く削るという理屈です。
最近の若い人は鉛筆を一度も削ったことがないという人も多いみたいですよね。
シャープペンもあるし鉛筆削りもあるし、わざわざ危ない思いをしてまで削る必要性に迫られたことはないはずです。
でも、鉛筆デッサンをするとなると話は別です。
削ってもらうしかありません。
安全な方法も後で解説するので、ご安心ください。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.デッサン用鉛筆を削るときに用意するもの |
それでは個別に解説していきます。
1.デッサン用鉛筆を削るときに用意するもの
・ 鉛筆(初心者ならHB、2B、4BがあればとりあえずOK。6Bもあるなら十分)
・ カッターナイフ
・ 要らない紙(削りカスの受け皿)
2.デッサン用の鉛筆の削り方
(右利きを前提に書いています。左利きの方は逆の手に読み替えてください)
※ 刃物を使うので、小さなお子さんは保護者と共にやってください。
※ お子さんでなくても、まったくの初めてという方は焦らず、じっくり読んで、自己責任でやってください。
基本を守れば、まずケガはしないはずです。
①鉛筆の先端から約3~4cm離れたところを左手で持つ
②カッターナイフの刃を前方に向けて、カッターナイフのボディを右手で持つ
③鉛筆の先端から1cmくらいの所にカッターナイフの刃を置く。薄く削るつもりで、なるべく寝かせて、刃を刺し入れる
刃を立てると余計な力が必要になって危ないので、くれぐれも寝かせるように。
④カッターナイフの刃の向こう側にどの指も出ていないようにする。
こうすればケガすることはありません。
⑤左手の親指でカッターナイフのボディを前方に押すようにして削る。
一度にザクッと削らず、薄く薄く、何度も往復させるつもりで少しずつ削る。
⑥360度削って、これ以上やると芯を短くしてしまうという段階になったら、左手の持つところを1cmほど後方へ下げる。
(先端から離れたところを持つようにする)
⑦上記⑤と同じように左手の親指で押し出すように削る。
⑧芯が約1.5cm、木軸が約2cm削れたら、芯の先端を尖らせる作業に移る。
尖らせる作業のときの左手は持つだけにする(親指は使わない)。
カッターナイフの刃をやや立てて、削るというより刃で擦るようにして、少しずつ芯の先端を尖らせていく。
回転させながら削って、先端が十分に尖ったら完成
3.デッサン用鉛筆の削り方のコツ
一度に大量に削ろうとせず、少しずつ、薄く削るのがコツ。
カッターナイフの刃は常に前方、自分から離れる方向へ向けておく。
日本刀みたいに引かない。
左手の親指で押して削る。
4.なぜナイフで削らなければならないのか?
① 芯をなるべく長く、剥き出しにするため
② 木軸の角が紙に当たらないようにするため
それぞれの理由を説明します。
①芯をなるべく長く、剥き出しにするため
鉛筆はこれまで字を書くもの、線を引くものとして使っていたと思いますが、デッサン用の鉛筆は「塗る」ために使います。
均一に塗るためにはなるべく鉛筆を寝かせて、接地面積が大きくなるようにします。
立てて使うと力が入ってしまい、一部だけ濃く塗ってしまうことになるからです。
イメージ的には芯が5ミリ前後は紙に接している状態を保って塗っていきます。
薄く塗るのを何度も重ねて、全体とのバランスを見ながら、少しずつ濃くしていくのです。
字を書く場合、紙に接しているのは点でしかなかったのですが、デッサンの場合、線もしくは面で接するようにします。
そのためには芯を折れない程度に長く剥き出しにする必要があるのです。
②木軸の角が紙に当たらないようにするため
芯を長く剥き出しにしようと思ったら、木軸(芯を覆っている木の部分)も長く削らないと削りにくいというのもありますが、メインの理由は木軸の角が紙に当たらないようにするためです。
ほぼ寝かせて、紙と平行になるくらいまで倒したとき、木軸を長く削っていないと角が当たって、それ以上鉛筆を寝かせられないという現象が起きてしまいます。
まとめ
鉛筆デッサンをするなら、カッターナイフで削らなくてはならない理由はお分かり頂けたでしょうか。
寝かせて塗るため、薄く何度も重ね塗りできるようにするためですね。
ココに書いたコツを守れば、まずケガすることはないですが、心配なら年長者に見てもらいながらやってみましょう。
補足1
1)カッターナイフの刃は古いと余計な力が必要になって危ないので、なるべく新しいものを使いましょう。
2)柔らかい鉛筆(2B、4B、6B……数字が大きいほど芯が柔らかくなる)ほど折れやすいので、剥き出しにする長さを減らしてください。
補足2
鉛筆を削るのも、鉛筆で塗るのも焦らず、何度も往復させて少しずつ進めるのがコツです。
(以上です)