画材・道具

■ペインティングナイフの使い方7選 アイデア次第でさらに広がる

2021年10月7日

ペインティングナイフ、使い方、コツ

ペインティングナイフはアイデア次第でいろいろ使えます。
ほとんど薄めていないアクリル絵の具や油絵の具を画面上に塗布するとき以外にも色んな使い方があります。
詳細を解説する前に概要などを説明します。

 

ペインティングナイフとは
小さなコテ状のもの。左官さんがセメントや土壁を均一にならすときに使う道具をグッと小さくしたものをイメージしてください。
実際、ならすのは使い方の一つです。

 

なぜペインティングナイフを使うのか?
筆ではできない硬質な表現ができるから。
または盛り上げる、ならすといった筆ではあまりやらない使い方もできるからです。

また混色のとき筆を使うと、毛の根っこのほうに絵の具が入ってしまい、後で洗うときにしっかり掻き出さないと固まって、毛先が広がったり割れたりしてしまいます。
ペインティングナイフ(またはパレットナイフ)で混ぜれば、そのような心配はいりません。

 

では、いよいよ使い方の解説です。

この記事で説明する主な使い方は以下の7通りです。

1.広い面に塗る、広げる、ならす
2.直線を引く
3.端を長く当てて、そこから面塗り
4.ひっかく、削る
5.盛り上げる
6.点描
7.ペタペタと叩く

 

それでは個別に解説していきます。

1.広い面に塗る、広げる、ならす

これは左官さんの使い方と同じです。
水で少し薄めた、もしくはチューブから出したままのアクリル絵の具を紙やキャンバスに乗せ、薄く広げていきます。

このとき、カスレる部分ができますが、神経質になって塗りつぶそうとしないほうが、面白いマチエール(表面の質感)になります。
カスレを活かす方向で考えましょう。
(カスレが許せないなら、最初から平筆でベタ塗りをしたほうがいいかもしれません)

 

2.直線を引く

ヘリ(端)を使って、スタンプみたいに押して直線を置いていくような使い方もありますが、慣れれば先端方向へスライドさせて、もっと長い直線も引けるようになります。
木立の幹や枝が直線的に伸びているものなどに使えます。

 

3.端を長く当てて、そこから面塗り

ヘリ(端)を紙やキャンバスに押し当て、直線ができた状態から、90度方向へスライドさせます。
上手くすれば長方形が一気に描けます。

直線から面への塗り方と言ったほうがいいでしょうか。
これこそ筆ではできない、ペインティングナイフらしい使い方です。

例えば、山の尾根や稜線から山肌を描くとき、ゴツゴツした岩を描くときなどに使えます。
筆では絶対に出せない描き味、硬さの表現になります。

 

ペインティングナイフ

4.ひっかく、削る

一度塗った状態から、乾いていないうちにペインティングナイフの先端で引っ掻いたり、ヘリ(端)で削ったりして絵の具を取る使い方です。

 

5.盛り上げる

油絵みたいにアクリル絵の具を盛り上げる使い方です。
そのままでもいいですし、さらに力強く盛り上げたいときはジェルメディウムやモデリングペーストなどの添加剤を混ぜると、さらに高く盛り上げることができます。
ただし、やりすぎは注意。ヒビ割れを起こします。

 

6.点描

ペインティングナイフの先端で点を置くように描いていきます。
置くだけではなく、先端で円を描くようにクルクル回しても面白い表現になります。

 

7.ペタペタと叩く

アクリル絵の具が乾いていない状態で、ペインティングナイフの底面を広く当てて、ペタペタと軽く叩きます。
するとそれまでスムーズでなめらかだった表面が毛羽立つような感じになります。
草原の草、岩肌、荒野などの表現に使えます。

 

まとめ

ペインティングナイフの使い方を以下の7通り解説してきました。
1.広い面に塗る、広げる、ならす
2.直線を引く
3.端を長く当てて、そこから面塗り
4.ひっかく、削る
5.盛り上げる
6.点描
7.ペタペタと叩く

ある程度の慣れも必要なので、気の向いたときに抽象画などで練習してみてください。
具象画で厳密な線や面を塗りたいときに、なかなか練習はできないはずなので、気楽な状態でやってみるといいでしょう。
ある程度、遊びの要素がある描き方のほうが練習してるという感じではないので、やっていて楽しいですよ。

 

補足
ペインティングナイフを使い終えたら、または色を替えるのなら、その都度、古布やキッチンペーパーなどでキレイに拭き取りましょう。
これを面倒くさがると色が混じったり、アクリル絵の具がこびり付いたりするので、こまめにやりましょう。

あ、そうそう。今、思いついたんですが、先端を中心点にして端を押し付けて回転させれば、ピザの一片のような形状ができますよね。
こんなの筆ではできない描き方なので抽象画を自由に描くときなんかに面白いかもですね。

ペインティングナイフの使い方に決まりはありませんので、自由な発想で自由に使ってください。
自分だけの使い方を探すのも面白いですよ。

 

               (以上です)

 

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