描いているうちに、まとまりのない色だな~と思ったことありませんか?
もしくは野暮ったいと感じたことがある人は読んでみてください。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.色の種類が多すぎないようにする。 |
それでは個別に解説していきます。
1.色の種類が多すぎないようにする。
メインと引き立て役の色を決める
いろんな色をまんべんなく使うと、どうしても統一感のない、とっちらかった印象になりがちです。
例えば、紅葉の風景画の場合、赤と黄色をメインにして、土や空は面積を少なめにして、色も彩度を落とすようにすれば、引き立て役になり、紅葉の美しさが際立ちます。
極端な例ですが、台風一過の突き抜けるような青空の日にキレイな紅葉を目撃したとして、それをそのまま描写するとどちらが主役か分からなくなります。
どうしても多色を使わざるをえないときは、面積を小さくするか、明度や彩度を落とすなどして調整するといいでしょう。
2.色調(彩度、明度)を統一する
色調(トーン)には、ビビット(冴えた)、ペール(淡い)、グレイッシュ(灰色がかった)などのグループがあります。
エッジの効いたインパクトや、若さ、激しさ、エネルギーなどをテーマにしたいときはビビット調で統一して一気に描き上げたら面白いかもしれません。
悲しみや孤独、不安などをテーマにするときはグレイッシュ調で統一するとモチーフとの相乗効果が出るでしょう。
もちろん決まりではないので、あえて逆を使うというのもチャレンジしがいがあるかもしれませんが、ハードルは高いかもしれませんね。
洋服の配色は3色までとよく言われます。
いろんな色を使うと、とっちらかって収集がつかなくなるからです。
でも色調(トーン)を統一して、同じグループの色だけを使うと3色までという制約がなくなります。
例えば、パステル調で統一すれば、全身で何色使っても違和感がなくなります。
これを絵にも応用すれば、3色までとか気にせずに自由度が広がります。
3.色相を統一する(または類似色を使う)
暖色系、寒色系、中性色系
色相環において、主に赤~黄色を含む色を暖色系、主に青を含む色(黄緑~紫)を寒色系、主に緑を含む色はどちらにも属さないとされ中性色系と呼びます。
類似色というのは厳密には色相環で両隣の色を含めた3色のことを言います。
明度や彩度が多少違っても鑑賞者は似たような色として認識するので、統一感は出てきます。
4.補色を隣に使うときは注意
狙ってわざと使う以外は取扱注意
色相環で円の反対側にある色どうしの関係を補色といいます。
黄色と紫、赤と緑、青とオレンジ色の関係です。
隣り合わせに置くと、目がチカチカして落ち着かなくなります。
テーマかモチーフのために計算してわざと補色を使うのならいいですが、それ以外は安易に使わないほうがいいでしょう。
ただし一方の明度や彩度を落として、引き立て役にするという方法は十分に使えます。
例えば、バラと葉っぱは赤と緑ではそのままだと補色ですが、葉っぱの緑を少し暗くすれば、赤いバラが映えます。
5.ナチュラル・ハーモニー(自然界の配色)
明度と彩度を黄色系は上げ、紫系は落とす
自然界では光の当たる明るいところは黄色がかり、日陰となる暗いところは青紫がかっています。
色相環において、黄色と青紫は純色どうしでも、明度は黄色のほうが高くなります。
ただでさえ黄色は明るく見えるのに、自然界では光が当たりさらに明度が増しているように見えます。
理解を助けるために、逆を考えてみてください。
青紫の部分の明度が高く(明るい)、黄色の部分の明度が低い(暗い)……この色の組み合わせを自然界で見たことありますか?
すごく不自然に感じるはずです。
よって、自然界の配色に逆らわないようにすれば統一感が出て、自然に見えるでしょう。
まとめ
配色はセンスと言われていても、もう気にする必要はありません。
確かにずば抜けた色彩センスを持つ人はいますが、そうでない人でも基本的な知識を覚えてしまえば、合格点以上の配色はできるようになります。
一言でまとめてしまうと、似たようなグループの色を使うということになります。
でもそれじゃあ面白くないという場合は、ワンポイントだけ違うグループの色を使うと、周りが引き立て役になるので、ここぞという所に使ってみてください。
配色も練習です。
少しずつ上達しますので、気長に楽しみながら練習してください。
(以上です)