絵のお悩み解決

■雲の描き方、塗り方 入道雲、普通の雲を描くコツ

2021年9月14日

雲の描き方

アクリル絵の具を使った雲の描き方の解説です。
重ね塗りできるのを前提としています。
重ね塗りできない水彩絵の具の場合、白の部分は画用紙の白色を活かすため「色を置かない」と読み換えてください。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.入道雲の描き方
→ 形、輪郭線、色の塗り分け、ハイライト、青空

2.基本的な雲(入道雲以外)の描き方
→ 形、線遠近法

 

それでは個別に解説していきます。

1.入道雲の描き方

入道雲、描き方

① 形
ブドウの房を逆さまにした形、球体が集まったイメージです。
ただし球体の直径は不揃いにします。
(均一だと人工的な感じになってしまうので)
ブドウ逆さま

 

②輪郭線は2通り
真夏の元気なモリモリした入道雲の輪郭線はクッキリした線です。
秋が近いた入道雲は輪郭線が柔らかくぼんやりして、所々風に引きちぎられています。

 

③色の塗り分け
球体を上中下に三等分して考えます。
地球儀でいえば上から寒帯~温帯・熱帯・温帯~寒帯。
→ 三等分して南極に近い寒帯付近に陰を付けるイメージです。
→ 太陽の位置を意識して、太陽の反対側に陰を多めに付けます。
→ 陰は灰色、または青っぽい灰色

 

④ハイライト(もっとも明るい部分)
太陽の方向を意識して、最上部の太陽に近い部分に線状に白を足します。
上部付近の複数の球体に白を足しましょう。
(下部の水平線近くは、そんなに足さず、強く光らせないようにしましょう)

太陽が斜め上から射しているなら、雲の最も明るい部分は真上ではなく、太陽に近い側になります。

 

⑤青空
背景の青空は、上が深い青、水平線近くは水色っぽい淡い青にし、上部は入道雲の白と空の青がコントラストになるようにする。
(白と青でクッキリ、ハッキリしている)

水平線近くのコントラストは弱くする。
入道雲の下部は薄っすらと灰色にし、空は白っぽい青、ぼんやりした水色にする。
入道雲の下部である水平線近くまで真っ白にすると、不自然になります。

 

 

2.基本的な雲(入道雲以外)の描き方

普通の雲、描き方、四季、線遠近法

四季を通して使える一般的な雲を描くコツです。

1)形

①左右非対称
→ どうしても左右対称になりがちなので、意識して左右の形を変えましょう

 

②形をバラけさせる
→ コピペしたみたいに同じ形を幾つも置くと不自然になる。考えすぎないようにして、適当に形を決める。

 

雲
③上をふっくら、下は平ら

→ 下を真っ平らにする必要はありませんが、ある程度は丸みを抑えましょう。

 

 

2)線遠近法を意識して形と大きさを決める

雲 遠近法
①遠くの雲は小さく、手前は大きく

→ 同じ大きさの雲でも遠くは小さく、近くは大きく見えるものです。

 

②遠くの雲は水平線近く、手前は高く
→ 地上の物も空の物も、遠くの物ほど水平線に近づくので、遠くの雲は低い位置に描きます。

 

③遠くの雲は側面、手前は底面が見える
→ 水平線近くの雲は底面がほとんど見えず、近くの雲は見上げる感じになるので底面が見えます。

雲を箱で例えてみましょう。
例えば同じ大きさの箱、ティッシュ箱のような直方体が、同じ高度で空にずらっと並んでいたとします。
遠くの箱は水平線近くに浮かんでいるように見えて、主に側面が見え、底面はほとんど見えません。
真上近くの箱は底面が自分に覆いかぶさるように見え、側面はほとんど見えません。
遠くと真上の中間にある箱は、上記2つの中間みたいな見え方になります。

ちなみに雲の色は側面より底面のほうが暗くなります。
よって遠くの雲は暗い底面が少ししか見えず、近くの雲は底面の暗い部分の面積が大きくなります。

 

④遠くの雲は横長、手前は縦も横も大きい
→ 水平線近くの遠くの雲が複数ある場合、重なりあって繋がっているように見えるので、横長になります。

→ 水平線近くの雲が縦に繋がると、不自然。上部はかなりの上空になり、極端な例でいえば大気圏を突き抜けているように見える。

→ 手前の雲は一つ一つが大きいので、縦も横も大きくなります。

 

⑤水平線の正面から放射状に雲を配置する。
雲
遠くは横に、中間は斜めに、手前は縦長に。
→ 言い換えると、中央の水平線近くから放射状に並べるということです。
→ 水平線近くは横に並べ、手前は縦長に並べます。中間は階段状に中央に向かって下りていくように並べます。
→ 線遠近法では、すべての物の配置は正面の水平線上に収束していくように並べるのが自然です。

上記の写真の場合、宇宙から見たら、すじ雲は平行に並んでいるはずです。
遠近法の作用で、遠くの雲どうしの隙間は小さく狭く、近くは大きく広く見えるので、放射状に並んでいるように見えます。

雲、タイル状

例えば、空中に正方形を並べた場合、遠くの水平線近くは横長の長方形に見え、近くは縦長の長方形に見えます。
完全に真上に来たときだけ正方形に見えます。
中間はその間の形ですが、とくに両端は、斜めの平行四辺形に見えます。
左側は右肩下がり、右側は右肩上がりの平行四辺形になります。

 

⑤雲同士の上下の間隔
遠くは小さく、近くは大きく
→ 遠くの間隔は小さく見えるし、手前の雲の間隔は大きく見えます。
物体が遠くほど小さく見えるのと同じ理屈です。

 

⑥雲の色の塗り分け方
3色(白、薄い灰色、灰色)で塗るのを基本として、場合によって青を少しだけ足したり、さらに灰色を濃くしたりして、使い分けてください。

遠くの雲は白と薄い灰色。上部に白、側面に薄い灰色。底面は横長でちょっとしか見えないので塗らなくてもいいでしょう。

手前の雲は3色を使います。陽の当たっている上部は白、底面は灰色、中間を薄い灰色で塗ります。

 

 

まとめ
遠近法や、太陽からの光の方向などを意識するようにしたら、あとは深く考えずにササッと描いたほうが自然な形になります。
雲の場合、適度なテキトーが有効です。

 

               (以上です)

 

-絵のお悩み解決

© 2024 アクリル絵の具で自由画人