絵を描く趣味を始めてみようと思ったら、種類がありすぎて戸惑うかもしれません。
本格的に始めようと覚悟を決めている人なら大丈夫かもしれませんが、絵心ない、自信ないという初心者の人ならハードルの低いものを知っておきたいですよね。
ココでは種類や概要はデジタルもまとめて紹介しますが、簡潔にするためアナログに絞って説明しています。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.絵を描く趣味、道具の種類(概要) 2.筆を使う画材の道具一覧 3.選び方のコツ、指針 |
それでは個別に解説していきます。
1.絵を描く趣味、道具の種類(概要)
<1>デジタル(デジ絵)
①板タブ+パソコン
板タブレットという感知装置に専用ペンで手書きをしたら、パソコンに線や図形が入力される仕組みです。別途ペイントソフト(お絵かきソフト)が必要です。板タブ自体は数千円からあります。
②液タブ
液晶タブレットに専用ペンで手書きをしたら、タブレット内に入力される仕組みです。専用の液タブであればペイントソフトは標準装備されていることもありますが、別途購入する場合もあります。液タブ自体は数万円からあります。
<2>アナログ
1)筆を使うもの
水彩絵の具、アクリル絵の具、アクリルガッシュ、油絵の具。
それぞれの説明をします。
①水彩絵の具
これはさらに透明水彩絵の具、不透明水彩絵の具(ガッシュ)、ポスターカラーに分けられます。
これらは顔料+アラビアガム水溶液が原料です。
顔料というのは色の粉です。
アラビアガムは糊と同じです。
水彩絵の具は乾いてもアラビアガムの性質上、水に濡らすとまた軟化して色が濁ってしまうので重ね塗りにはあまり向いていません。
淡い色彩、ニジミやボカシの技法が使えて、穏やかな優しい絵が描けます。
②アクリル絵の具
原料は顔料+アクリル樹脂です。
乾くと表面が耐水性になるので重ね塗りができるのが特徴です。
急ぐときはドライヤーで乾かせます。
水を多めに溶けば水彩絵の具みたいに描けるし、水を少なめ又は水を使わずに描けば油絵の具みたいに盛り上げて描くこともできます。
透明性のある色が多いので、下の色が透けて見えるという特徴があります。
水を多めにして薄く溶いたアクリル絵の具を何度も重ね塗りするとカラーフィルムを重ねたような光学的な混色が可能です。
これができるのはアクリル絵の具と油絵の具だけですが、油絵の具は下の色が乾くまで最低1週間はかかるので待ち時間が長くなります。
アクリル絵の具は水彩画みたいな淡く優しい画風から、油絵の具みたいな力強い画風までオールマイティな描き方ができる絵の具です。
③アクリルガッシュ
原料は顔料+アクリル樹脂です。乾くと表面が耐水性になるので重ね塗りができるのはアクリル絵の具と同じです。
アクリル絵の具より顔料の割合が多いので、下地を覆う隠蔽力に優れ、ベタ塗り(平塗り)でムラになりにくい特徴があります。
耐久性・耐光性が弱いためデザイン関係などの一時的使用を目的とすることが多い画材です。
④油絵の具
原料は顔料+展色材+助剤です。
顔料は色の素、展色材は顔料をキャンバスに付着させる接着剤の役割、助剤は乾燥促進剤などです。
絵の具の王様といった風格があり、写真画質ような絵から印象派のような淡い描き方、ゴッホのような盛り上げた力強い描き方など自由度が高い画材です。
難点は乾くのが遅いことですね。
最低でも1週間は待たないと重ね塗りできません。
独特の匂いが気になる人もいます。
2)筆を使わないもの
鉛筆、色鉛筆、クレヨン、水彩色鉛筆、パステル、コピック、塗り絵、切り絵、マーブリング、クロスステッチ(手芸)。
それぞれの説明をします。
鉛筆……クロッキー(速写)やデッサン、スケッチの下絵など用途は広く、上級者になれば白黒写真のような絵を描くこともできます。
色鉛筆……小学校のときから慣れ親しんできた一般的なものは油性なので水を弾きます。
水彩色鉛筆……コレで描いた後、水を含ませた筆でにじませて水彩絵の具みたいな表現もできます。
屋外スケッチに行くときはコレと水と筆だけを持っていけば水彩画ふうの絵が描けるという手軽さもあります。
クレヨン……顔料(色の粉)と蝋が原料です。油性で重ね塗りはあまりできません。
スクラッチアートでは表面を覆うためにクレヨンの黒がよく使われます。
パステル……顔料の粉を糊などで固めたチョークみたいな画材です。粉がメインですので、描き終えた後はフィクサチーフなどでこぼれ落ちないように固着させます。
重ね塗りはできますが、混色はあまりできません。
パステル調という言葉があるように穏やかで柔らかな色調が特徴です。
コピック……ペンタイプのマーカー、カラーペンです。
株式会社トゥーマーカープロダクツが開発したアルコールマーカーの名称です。
全358色もあり、イラスト、デザインの分野で人気があります。
使い捨てではなく、インクの補充もできます。
塗り絵……大人の塗り絵や、マンダラ塗り絵など、大人向けの細かい絵柄の塗り絵が販売されています。
静物画、風景画などの絵柄も用意されています。
塗るのは色鉛筆や水彩色鉛筆がメインになりますが、油絵の具を使うものまであります。
切り絵……デザイン用のカッターとカッターマット(下敷き)、図案、黒画用紙、糊(図案と黒画用紙の固定用)があればすぐに始められます。
ほとんどは100均で売っています。
根気と集中力があれば特殊な知識は不要です。
図案はネットで好きなキャラクターなどを探して印刷してもいいですね。
慣れてきたら、オリジナルの図案を考えてみましょう。
マーブリング……アクリル絵の具より比重の重い専用の液に、水で溶かしたアクリル絵の具を流し込み、それに紙などを浮かせてマーブル(大理石)みたいな模様を着ける技法。
カラフルな色を何種類も使って、予測不可能な模様を手軽に楽しめるアートでもあります。
クロスステッチ(手芸)……布のマス目にそって糸がX印になるように刺していき、模様や絵柄を創る手芸の一種です。
風景画などの図案もセットになったキットが販売されており、初心者でもとっつきやすくなっています。
※最後の2つは絵の趣味と言えるのか微妙ですが、載せるだけ載せときました。
2.筆を使う絵の具の道具一覧
①水彩絵の具、アクリル絵の具、アクリルガッシュ
パレット、筆、紙(またはキャンバス)、筆洗い器など。
紙を使う場合、紙がふやけて波打つため、水張りをしたほうが描きやすく、完成後の見栄えもよくなります。
②油絵の具
溶き油、筆、キャンバス、パレット、油壺(溶き油を入れておく容器)、筆洗い器、ブラシクリーナー(液体)など。
油絵の具は酸性のため紙に描くと後でボロボロになるので、油彩用のイラストボードかキャンバス、板などを使います。
水溶性の絵の具は水分が蒸発して固まりますが、その分、体積が減ります。
油絵の具は油が酸化して固化するので体積が減らず、力強く盛り上がった描き方ができます。
3.選び方のコツ、指針
1)一般的な基準
とりあえず列記してみます。
左側が負担が小さくなるような基準です。
手軽/本格的
手が汚れない/汚れる
道具がたくさんは不要/必要
初期費用・維持費が少ない/多い
100均で始められる/100均では売ってない
初心者でも可/ハードルが高い
①全部左側に該当するのは以下です
鉛筆、色鉛筆、クレヨン、水彩色鉛筆、パステル、切り絵、クロスステッチ(手芸)、水彩絵の具
②全部右側に該当するのは以下です
油絵の具
(一部の100均で油絵の具を売ってるお店もあるみたいですが、すべての道具が揃えられる訳ではないようです。)
③上記以外
・コピックはまあまあ高いです。1本300円弱から。
エントリーモデルのセット価格は24色で6,000円前後します。
使い方に特別な専門知識は要りません。
要はカラーペンですので。
・マーブリングは100均でも売っています。
ハマるようだったら、自分でも溶液を買って、いろいろ試せます。
手を保護するため、ビニール手袋などをしましょう。
・アクリル絵の具、アクリルガッシュは100均でも売っています。
当たり前ですが、手に着いたら手は汚れます。
服に着いたらすぐ落とせば大丈夫ですが、乾燥したら水では落ちません。
筆も乾燥したら固まって使えなくなります。
それさえ気をつければ、特別な専門知識は要りません。
2)癒やし効果の有無
癒やし効果のない絵はないと断言したいところですが、人によっては苦手な要素があるかもしれません。
匂い……油絵の具は揮発油を使うので、独特の匂いが気になる人もいます(筆者は好きでしたけど)
汚れ……アクリル絵の具、アクリルガッシュは乾くと水では汚れが落ちなくなります。
手先の器用さ……不器用な人、細かい作業が苦手な人はクロスステッチは敬遠したくなるかもですね。
絵の趣味の候補に挙げたほうが間違っているのかもしれませんが。
3)塗るという行為
筆や刷毛で広い面積を塗るという行為が好きか否かです。
筆者の主観になりますが、筆で平塗りしているとき、なんとなく愉悦というか楽しさを感じます。
塗るという行為は人間の根源的な何かを満足させてくれるような気がします。
色鉛筆やパステル、コピックでは味わえない感覚です。
ペン型のものは色をベタ塗りしていても線を何度も引くという感覚ですので、塗るのとは少し違います。
ベターッと塗っているときの感覚に興味のある人は、水彩絵の具、アクリル絵の具、アクリルガッシュ、油絵の具を掘り下げてみてください。
(以上です)