風景画の構図

曲線(C字,S字)構図とは 基本とコツ(風景画の描き方 構図編)

人間は絵の中に強い線があると、それを辿っていくというクセがあります。
曲線はなめらかに視線を誘導できるので関心をひきやすくなります。
使い方を押さえておくと日の丸構図から早く卒業できますので、便利ですよ。

 

この記事で説明する項目の一覧です。 

1.曲線構図とは
2.曲線構図の種類
3.曲線構図の使い方とコツ
4.まとめ

 

それでは個別に解説していきます。

 

1.曲線構図とは

絵の中に曲線を感じさせる強い線がある構図です。
曲線はゆるやかさ、柔らかさ、動きなどを感じさせてくれます。
曲線は円形や、C字型の弧、複合のS字型などがあります。

 

2.曲線構図の種類

①奥行きを感じさせる使い方

一般的によく使われる方法です。緩やかにカーブした道路、レール、川、海岸線などがよく見られます。
視線を奥へ奥へと導くので空間の広がりを感じさせます。

 

②奥行き以外

同じ距離の中で円や弧を持つもの(例えばドーム型の屋根、頂上の丸い丘、観覧車など)をモチーフにする使い方があります。

 

③リズム感
複数のものが曲線上に並んでいたら、リズム感を表すことができます。

例えば柵の杭が曲線上に並ぶのもいいですし、単品で丸い物(ヒマワリ、浮き輪、タイヤ、道路標識など)があちこちにあるのでも構いません。

また曲線と直線を組み合わせることで、柔らかさと力強さを同居させることもできます。

 

3.曲線構図の使い方とコツ

①縦位置
画用紙やスケッチブックを縦長にして曲線構図を使うと、奥行きがさらに強調された構図になります。

 

②テーマ性

柔らかさや穏やかさをテーマとするときに取り入れると便利な構図です。
例えば花壇の丸いカーブ、桜の丸い枝ぶり、らせん階段、山の稜線など、探せば意外と出てくるかもです。
曲線構図は奥行きの表現だけのためにある訳ではありません。
外出したら曲線がないか探してみましょう。

 

③視線誘導
曲線の先に何か仕掛けがあると面白くなります。
緩やかにカーブしている海岸線を見たらすぐにC字構図が思い浮かぶと思います。それだけだと視線を誘導して、放置することになりかねません。

それだとツマラナイ場合は、鑑賞者の視線をゆるいカーブに沿って誘導させた先に何らかのモチーフを置くという仕掛けができます。
カモメかヨットか何でもいいですけど、岬のやや手前に置いて、視線をくるっと回転させて手前に戻るようにすると鑑賞者が絵の全体を見るように巡回させることができます。

 

4.まとめ

①曲線構図とは
絵の中に丸やC字、S字などの曲線を感じさせる強い線がある構図です。
曲線はゆるやかさ、柔らかさ、動きなどを感じさせてくれます。

 

②曲線構図の種類
3種類あります。奥行き、単品で丸い、リズムを感じる、です。

奥行きを強調するために川や道路のC字やS字を中央に配置する構図はよく使われます。

単品で丸いものとか、丸くないけど複数のものが曲線に並んでいたり、単品で丸いものが散在してリズムを感じさせたりといった使い方などがあります。

 

③曲線構図の使い方とコツ

・縦位置
画用紙やスケッチブックを縦長で使うことで奥行きをさらに強調できます。
柔らかさや穏やかさをテーマとするときに取り入れると便利な構図です。

・テーマ性
穏やかな春の雰囲気を出すために川や池の形を分かりやすい曲線にするとか、道路を直線からゆるやかなカーブにするとか、カメラではないので勝手に変えることもできます。

・視線誘導
人間は絵の中に強い線があると、つい辿って見てしまうので、視線誘導の先に何か仕掛けを仕込むと面白い絵になりますよ。

 

(今回は以上です)

 

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