アクリル絵の具に興味はあるけど、まったく使ったことのない方、何となく敷居が高いと感じている方むけに書いてみました。
習うより慣れろですので、なるべく簡単で気楽な方法を紹介してみます。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.必要な道具 |
それでは個別に解説していきます。
1.必要な道具
お試しなら100均で買ってみましょう。
まず一覧をババッと書き出します。
アクリル絵の具、筆、パレット、筆洗い器、ケント紙、板、マスキングテープ、刷毛。
次に、一つずつ解説します。
アクリル絵の具……赤、青、黄色、白。
(とりあえず4色だけ買えばOK。後は混色でなんとかなります。もちろん追加で他の色を買ってもOK。アクリルガッシュではなく、アクリル絵の具にしましょう。光学的な混色を楽しむためです)
筆……1セット3~4本入り。
面相筆(極細の筆)が入っているものが便利
パレット……折りたたみ式でも使い捨て式でもOK
筆洗い器……2つか3つに分かれているのが便利
ケント紙……A4サイズ(4枚入りで売ってました)
(無ければ画用紙でもOK)
板……B4サイズくらいの合板。
ケント紙(画用紙)より大きければOK。
DIYコーナー辺りにあるはずです。
マスキングテープ……文房具コーナーかガムテープとかのコーナーにあるかも
刷毛……わざわざ買わなくても、キッチン用スポンジの予備でもOK。
合計11点だから税抜1,100円ですね。
板、マスキングテープ、刷毛は次項で説明する水張りに必要な道具です。
面倒だなと思うのであれば、ケント紙か画用紙に直接描いてもOK。
ただし水でブヨブヨに曲がるので描きにくくなるのは覚悟のこと。
ちなみに上記の買う色を再度載せると、
赤、青、黄色、白だけですね。
他の色は混色でできます。
緑=黄色+青
紫=青+赤
オレンジ=赤+黄色
ピンク=赤+白
茶色=赤+少しの青、または赤+(青と黄色を少しずつ)
黒は完全な真っ黒にはなりませんが、
黒=黄色+青+赤……でできます。
2.水張り
①ケント紙の表裏を見極める
ツヤのあるほうが表、そっけないほうが裏です。
自信ないときは勘でOK。
裏に鉛筆で「うら」と書いておくと塗れても迷いません。
②ケント紙を濡らします
刷毛(またはスポンジ)で両面に水をたっぷり塗ります。
③5~10分間くらい放置
④板が塗れているとマスキングテープが付着できないので、塗れていたら裏返して、乾いた板の中央に塗れたケント紙を置く。
⑤紙の端から5ミリくらいの所を4辺とも留める。
ケント紙はまだブヨブヨでOK
⑥30分間くらい放置して乾かす
完全に乾いたらピンと張るので、そうなったら準備完了です。
3.いよいよ描こう
好きなものを好きに描いていいですが、とくに思いつかなかったら、以下をどうぞ
1)ケント紙を横長に置く
2)真ん中に縦にマスキングテープを貼る
3)左に青を塗る。絵の具を水で薄める割合は1対1か、もう少し水が少ないくらい。
筆を左右に動かして塗りましょう。
一通り塗って、多少のムラがあってもOK
4)ドライヤーで乾かす。完全に乾いたらOK
5)重ね塗り。今度は筆を上下に動かします。
一通り塗ったらドライヤーで完全に乾かします
6)塗りムラがあれば、再び左右に筆を動かして塗ります。
塗りムラが消えるまで、左右と上下を繰り返します。
たぶん3回ずつ、計6回重ね塗りすれば、ムラはほとんど目立たないはず。
7)マスキングテープの右側に赤を塗る。
絵の具を水で薄める割合は1対1くらい。筆を左右に動かして塗りましょう
8)4~7の手順を赤で繰り返します
9)マスキングテープを剥がす
左に青、右に赤がムラなく塗れているはず。
真ん中のマスキングテープの幅だけ何も塗ってない状態です。
こんな感じの状態になっているはずです。 ↓
10)中央をまたぐように黄色で長方形、または好きな形を描く
テキトーにザザッと塗りましょう。お遊び感覚で。
1回塗りのイメージ図です ↓
11)黄色を重ね塗りします
4~8の手順を黄色で繰り返します
2回塗りのイメージ図 ↓
12)途中の色の変化を楽しんでください
左の青側に黄色を乗せると、最初はほとんど青だったのが、徐々に青緑→緑→黄緑と変化して、ついには黄色になります。
3回塗りのイメージ図 ↓
右の赤側に黄色を乗せると、最初はだったのが、徐々に赤っぽいオレンジ→オレンジ、黄色っぽいオレンジと変化して、ついには黄色になります。
4回塗りのイメージ図 ↓
13)左が緑、右がオレンジ色になったらだいたいOK。
後は好きなところでストップしてください。
中央が完全に黄色になるまで塗ってもOK。お好みで♪
4.この練習で得られるもの
①水張りの簡易版の体験
②平塗り(ベタ塗り)の練習
アクリル絵の具の最初の難関です。
これを乗り越えれば、後はグラデーションですが、それは別記事で解説しています。
③重ね塗りの体験
今まで水彩絵の具しか使ったことがない方は、重ね塗りすると下の色が溶けて濁るので残念な気持ちになった経験があると思います。
それがアクリル絵の具はクリアにできてしまうので、新鮮なはずです。
④重ね塗りによる「光学的な混色」の体験
はは~ん、こうやって色が変化するんだと体感できたはずです。
※試しに別の紙に、前もって青と黄色を混ぜた緑を塗ってみてください。こちらは「物理的な混色」といいます。
色の深みや輝きは最初から緑を作って塗ったものより、重ね塗りしたほうがあるはずです。
前もって赤と黄色を混ぜたオレンジ色も同様です。
重ね塗りのほうがキレイなはずです。
まとめ
この記事で説明した項目の一覧を再度載せます。
1.必要な道具
2.水張り
3.いよいよ描こう
4.この練習で得られるもの
必要な道具はアクリル絵の具、筆、パレット、筆洗い器、ケント紙、板、マスキングテープ、刷毛またはスポンジ……でしたね。
全部100均で揃えられます。
こだわりがあるなら、もう少し高価なものを買ってもいいでしょう。
水張りは簡易版を紹介しました。
本格的な水張りのやり方は別記事で紹介していますので、よかったら、読んでみてください。
→「水張りとは やり方3選、水張りテープ、オススメの紙など」
水張りさえできてしまえば、何を描いても自由です。
とくに思いつかないという場合は上記で紹介したのをやって頂くと、アクリル絵の具特有の重ね塗りができる楽しさ、色を重ねることで起きる光学的な混色が楽しめます。
ココで紹介したのは一例ですので、自分で勝手にアレンジしても全然構いません。
習うより慣れろですので、我流でもOKです。
混色やグラデーションに興味が湧いたら、他の記事も読んでみてください。
(以上です)