モデルさんがいれば、しっかり観察できますが、想像で描く場合は体型の基本を押さえておきたいものです。
裸の男女がたくさん出てくる絵画を描こうと思い立つことは稀でしょうけど、着衣の人物でも中身の体型を理解していないと、どこか不自然になるものです。
この記事では老若男女、痩せ型、肥満型、筋肉質の体型の特徴を、簡単ではありますが解説していきます。
この記事で解説する項目の一覧です。
1.標準体型、成人男女の特徴 |
それでは個別に解説していきます。
1.標準体型、成人男女の特徴
①男性の特徴
首は太く、短く(肩の筋肉で首は短く見える)
肩幅が広い、逆三角形
胸骨と肋骨が左右に広い
ウエストのくびれとヘソと腰骨が近い
→くびれのすぐ下にヘソがある感じ
ウエストのくびれはそんなにない
骨盤は横長の長方形のイメージ
お尻の横(体の側面部分)は凹んでいる
横から見たら、背筋が盛り上がっている
同 腰は引っ込んでいる
同 ハムストリング筋が発達
手や足の甲の骨が出て、ゴツゴツした感じ
手の指は関節が太く、ゴツゴツした感じ
②女性の特徴
首は細く、長め
鎖骨が目立つ
肩幅は広くない
胸骨、肋骨がウエストまでストンと落ちている感じ
→両肩からウエストまでの逆三角形は男性ほど強くない
ウエストのくびれとヘソが離れている
→肋骨の下にくびれがあり、ちょっと距離があってヘソがある
→男性よりウエストの位置が高いので、足が長く見える
ウエストのくびれはしっかりしている
ウエストから腰骨にかけて逆ハート型
骨盤は台形のイメージ
お尻はふっくら
横から見たら、バストと下腹部が出ている
→下腹部は前に出ているが、その後、一気に股間にかけて後ろへ反る。
→お尻が突き出て見える。
お尻の頂点は男性より上のイメージ
手や足の甲の骨は見えない。柔らかい感じ
手の指は細いので長く見える
2.痩せ型
頬骨、エラが目立つ
鎖骨、胸骨が目立つ
→胸骨とは胸の前側中央で、肋骨をつないでいる骨。横線を等間隔で描くと痩せて見える
あばら骨が浮いて見える
ウエストが細い
女性の腰骨は逆ハート型ではなくなり、男性みたいな四角い形になる。ウエストから腰骨は台形、腰骨は横長の長方形のイメージ
太ももが細い。ストンとまっすぐ落ちる感じ。そのため両方の太ももの間に縦長の隙間が見える
膝や足首の関節が目立つ
手足が細いので長く見える
→骨が伸びる訳ではないので注意。
3.肥満型
頬肉が盛り上がり、目の下側が上向きの弧になる。頬肉は縦長の卵型、または角の取れた長方形
二重顎。エラは目立たない
首がないように見える。耳から斜めに肩へ
鎖骨は見えない
胸肉、腹肉が垂れる
太ももの下部の肉が膝に垂れている
手足の先は丸々としている。指は太く短く
横から見ると、お腹の出っ張りとバランスを取るために背筋や肩が後方へ下がっているように見える。のけ反る感じ。
4.筋肉質の男性
僧帽筋(そうぼうきん。肩から耳下の筋肉の盛り上がり)がある。
首は太いが、僧帽筋で隠れる
肩や二の腕の筋肉は丸々としている
大胸筋の丸々とした盛り上がりと横幅
大胸筋の直下から腰骨までストンと落ちる
ウエストのくびれはほとんどない
腰骨の幅より大胸筋の横幅のほうが大きい
太ももの横幅は中央が盛り上がっている
太ももどうしの隙間はない
手首や足首から先もガッシリと大きめに描く
5.子供の体型 小学生未満、小学生
①小学生未満
3~4頭身
なで肩
寸胴でお腹がポッコリ出ている
→幼稚園児くらいになると腹筋が発達して出なくなります
足は短め
全体的に丸み、柔らかさをイメージして描く
ウエスト、膝や足首のくびれはほとんど無い
②小学生
4~6頭身
小学生は低学年と高学年では全然違ってきます。低学年は幼稚園児の名残があり、高学年になると中学生らしい体型に近づきます。
細い首、なで肩
鎖骨はしっかり描く
寸胴→ウエストのくびれ無し
肩幅や腰骨の左右への張りはない
足は短め
肘、膝、足首のくびれは少し出てくる
6.老人
頬がこける
なで肩、肩の骨が突き出て見える
鎖骨、胸骨、肋骨が浮いて見える
背骨が曲がり、前傾姿勢、うつむきがち
膝が曲がる
身長も低くなる
肉が削げて、骨と皮に近い感じ
胸や尻の筋肉が少なくなり、垂れる
太ももが細く、太ももどうしの隙間が広い
筋肉が落ちるので肘や膝が大きく見える
補足1
ここに載せた体型はあくまで一般的なものです。
体型は千差万別で個人差があるので、適度に調整してください。
着衣の場合、上記の特徴をやり過ぎかなと思えるくらい使わないと、中途半端になる可能性があります。
繰り返しになりますが、痩せても太っても、骨格は変わらないので、標準体型の手足の長さやバランスを参考にしてください。
補足2
標準体型の手足の長さやバランスに関しては別記事で紹介しているので、よかったら参考にしてください。
「人物画、身体の簡単な描き方、アタリの取り方、正面と斜め」
(以上です)