絵のお悩み解決

■絵の超初心者むけ練習法、上達法(前編)

2021年11月13日

この記事は絵の超初心者または初心者の方むけに解説します。

 

まずこの記事の主題(テーマ)を言います。
『理屈で何とかなる部分を先にやっつけてしまおう。
理屈を知らずして、自分には画才がないと言うなかれ。
理屈は誰でも習得できる!』

なかなか上達しないという人は理屈を知らないだけかもしれません。
画才や絵を分解すると見えてくるものがあるかもですよ。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

1.画才や才能の構成要素
2.絵の構成要素
3.人物画の理屈
4.色使い、配色の理屈
5.立体感の理屈

 

それでは個別に解説していきます。

1.画才や才能の構成要素

結論から先に書きます。
画才や才能の構成要素は技術と知識と経験です。
天性のものは1~2割くらいで、あとは後天的に習得していくものです。

形を捉える才能、色のセンス、絵の企画や構想などの発想力など、中にはほれぼれするような才能を持つ人がいます。
でも例外なく練習を継続しています。
才能だけでは高みには行けません。

ちなみに天才といわれたピカソの作品数は5万点以上、素描(ドローイング・線画など)に至っては12万点以上と言われています。
めちゃくちゃ努力の人です。
本人は努力を努力と思わないくらい楽しんでいたのでしょうけど。

 

2.絵の構成要素

画才のほとんどが後天的に習得するものと分かったところで、どうやって練習したらいいか分からないという人も多いと思います。

何から手をつけていいのか分からない、下手すぎて心が折れそう、上達しない……などレベルによって悩みはつきないと思いますが、絵が好き、絵を描きたいという気持ちがあれば大丈夫です。

画才がないと感じていても継続すれば、必ず上手になります。
逆に言えば、画才の8~9割は努力と経験で何とかなります。
何とかならない才能は確かに存在しますが、それを気にするのはピカソ並みに努力していから言えということです。 ^^;

ネットで「絵の練習、上達法」などで検索すれば山ほど情報が出てくるので、この記事ではちょっと違った角度から解説したいと思います。

よくあるのはトレースやデッサンが出てくると思いますが、それらは形を捉える練習ですので、絵を構成する一部でしかありません。

ちなみに絵は以下で構成されます。

・ 線と形
・ 色
・ 空間(立体感)

トレースやデッサンをいくら頑張っても、絵の一部でしかありません。
色や空間の表現は理屈を理解しなければ、絵全体としては上達が遅くなります。勉強する時間を早めに確保しましょう。
デッサンに比べたら色や空間の基礎は短い時間で理解できるので、お得です♪

理屈を理解しないと同じところをグルグル回って、いつまでたっても上達しないかもです。
理屈を理解すれば上達が速くなります。

 

2.人物画の理屈

結論を先に言うと、骨格をまず描こうということです。

① 全身画
まず単純化した骨格を薄い線で描いて、バランスをチェックしてOKであれば、肉付けして、グラデーションで立体感を出すという手順です。
モデルさんが目の前にいるなら、そのまま描写しやすいですが、そうでなければ想像で描くしかありません。

チェックの仕方は手足の長さ、何頭身かという頭の大きさと身長のバランス、男女や年齢による骨格の差などです。
男性の肩幅は広く、女性はなで肩。男性の骨盤は四角ですが、女性は末広がりの台形です。
骨盤のせいで女性のウエストのくびれの位置は上がり、男性より足が長く見えます。

 

② 顔のアップ
モデルさんがいるなら見たまま描いてください。
いない場合、想像で描く場合を以下に説明します。

頭骸骨を思い出してもらうと分かりやすいですが、眼球の穴(眼窩:がんか)は真ん中より上にあります。
しかし実際は髪の毛のせいで頭が上に伸びるので、卵型を描いて、上下の真ん中に線を引いたところに目頭、目尻を描けばだいたい合うので、あとは微調整します。

目の線と顎の線の中央にまた横の線を引いたら、そこが鼻の一番下になります。
これは痩せても太っても、エラが張っていても変わらないバランスです。
子供の場合は、目の位置を下げて、頭頂部の割合を大きくしたほうが子供らしくなります。

 

③軸と正中線
軸は骨盤を中心として背骨を通って頭頂部に至る直線です。
分かりやすくするため、下半身の軸はここでは割愛します。

正中線は頭頂部から眉間、鼻、顎、みぞおち、へそを通って骨盤に至る線です。
直立しているとき、正面から見たら、正中線と軸は一致しています。
体全体で斜め横を向くと、正中線と軸が二本表れます。

両肩は正面を向いたまま顔だけ斜め横を向くと、顔は正中線と軸が二本になりますが、胴体は一致したままです。

この二本の線を下書きで薄く描いてから、肉付けするとバランスがとりやすく、歪みが少なくなります。

 

④練習の仕方
人体骨格標本もしくは筋肉標本の色んなポーズを上下左右ぐるぐる回転させて、クロッキーをしまくるのが頭に叩き込むのに一番いい練習方法です。

筆者は以前、ポーズマニアックスという凄く便利なサイトを使わせてもらっていたのですが、FlashPlayerのサポート終了と共に使えなくなってしまいました。
「ポーズマニアックス 代用」で検索すると似たようなサイトが表れますので、参考にしてみてください。

ポイントはデッサンではなく、クロッキーにするということ。
1枚1分~3分程度で次々と骨格を意識しながら大量に写していくのがコツです。
ちなみに陰影を付けている暇はありません。線画だけです。
形とバランスを捉える練習です。
コピー用紙でもスケッチブックでもいいので、A4サイズくらいの紙に4等分する線を引いて、一枚に4ポーズ描きましょう。
毎日です。

時間にして15分もあればできます。
長いと思うなら1枚2.5分、計10分間。
これを100日続けてください。3ヵ月でもOK。

そうすれば、もう見なくても、上下左右360度回転させたポーズを想像で描けるようになります。
一度覚えたら一生使えるのは、自転車と一緒です。
久々に乗っても乗れますよね。
同じようにポーズも意外と描けるので、嬉しくなりますよ。

 

※長くなったので、後編に分けます。

 

             (後編はコチラ

 

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