パブロ・ピカソ「アヴィニョンの娘たち」と鑑賞する人たち
絶対に外せない基本的な構図としては、黄金比、三分割法、三角構図、対角線構図、放射線構図、二分割法(シンメトリー構図)などがあります。
でも、同じ構図を使いつづけていれば、いつか飽きるので、ちょっと変わった中上級者むけの構図7選を紹介します。
この記事で紹介する構図の一覧です。
1.垂直線構図 |
それでは個別に解説していきます。
1.垂直線構図
これは垂直線が画面全体を連続する構図が基本になります。
画面全体に緊張感を表現するには有効な構図です。
例えば、竹や杉、カラ松、シラカバなどの林は幹がすっくと上に伸びて、縦の線が幾つも重なります。
滝の場合、単独だけだと構図としては面白くないですが、左右の樹木で縦線を表現できれば、垂直線構図になります。
しかし、これでもまだ面白みがない場合は、少し引いて空を入れたり、湖に映るリフレクション構図にしたり、他の構図と組み合わせたりして演出することができます。
絵は写真と違って、自分で付け加えたり、取り除いたりできますからね。
2.斜線構図
例えば山の尾根の斜線が平行線みたいに重なる構図です。
手前の山と奥の山で、色を変えれば奥行きも出せます。
3.対比構図
同類だけど大きなものと小さなもの、色の赤いものと青いもの、ペアになっているもの、新しいものと古いもの、勝者と敗者などを対比させることで、緊張感や落ち着いた静寂感、ドラマ性なども表現できます。
4.X字構図
対角線がX字に交わるものもあれば、水平線上の一点から放射状に伸びる4本の線というものもあります。
ちょっと難しいですが、ピカソの「アヴィニョンの女たち」もX字構図と言われています。
5.逆三角形構図
例えば上に向かってY字型に枝分かれしている枝や、熱気球の下半分をアップで描いたら逆三角形になります。
両手を横に広げて立つ人も逆三角形です。
寝そべっている人を頭の方向から見た場合、頭と両肩が底辺、奥で小さく見える足先が頂点の逆三角形になります。
3人の人を逆三角形に配置したら、動きやリズムが生まれ面白い構図になります。
頂点が上の三角形にしたら安定しますが、その分動きが減り、面白みもなくなります。
逆三角形構図は不安定さの中に躍動感やリズムが現れるのです。
6.パターン構図
これは同じものが続く模様みたいな構図です。
チューリップやひまわりがたくさん続くパターンや、海面の波、雪の積もった飛び石、ひつじ雲、杉林を上から見た様子などが考えられます。
全部同じ形である必要はなく、奥にいくほど平たく小さくなれば奥行きを表現できます。
繰り返しのパターンはリズムと動き、画面全体の統一感などを表現できます。
7.日の丸構図
素人さんが何も考えずに写真撮影すると、たいてい日の丸構図になります。
ど真ん中にドンとモチーフを置く構図です。
面白みがない構図の典型みたいな言い方をされている日の丸構図ですので、もし使うとしたら、そこには熟考した上で選択したんだよと鑑賞者に伝わるようにしたいものです。
よって、日の丸構図はあえて中上級者むけとしました。
「構図を何も考えずに描いたでしょ」と言われないためには、やはりそれなりのテクニックが必要です。
主役をど真ん中に配置するのはよしとして、脇役で何かサポートできることはないか、または変化を付けられないか、主役をほんの少し右か左に動かすことはできないか、背景にX字構図やS字構図、放射線構図などを取り入れて奥行きを表現できないかなど、いろいろ試行錯誤した上で採用するようにしましょう。
絵は写真と異なり、背景を勝手に創作しても構わないので、あなたがプロデューサーもしくはプランナーとなってアイデア出しをしてください。
(以上です)