絵のアイデア・発想法

■絵のテーマを見つける発想法②

2021年9月6日

絵のテーマ、発想法、ヒント、アイデア

絵のテーマが見つからない、思いつかないとき、またはアイデア・コンセプトの考え方で悩んだら役立つかもしれない発想法を紹介します。

 

この記事で説明する項目の一覧です。

  1. 視点を変える
  2. 追加する
  3. 引く、取り除く
  4. 分解する、分離する
  5. 強調する、誇張する
  6. 置換する、入れ替える
  7. 常識、固定観念を壊す
  8. 反対にする
  9. 回転させる(モチーフ、視点)
  10. 動きを加えてみる

 

それでは個別に解説していきます。

1.視点を変える

既存作品の視点を変えてみる方法です。

① 作者の視点
子供の視点で見たら、どうなるか。
ひざまずいて低い視点から見たらどうか。
反対派の立場から見たら、縄文時代・江戸時代の人が見たら、未来の人が見たらどう思うか。

例えば、「モナ・リザ」のモデルを当時の子供が見たら、どんな感想を持ち、どんな絵にしたでしょうか。
同じモチーフでも見る人によって描き方は異なってくるはずなので、あえて他人の視点を取り入れてみる方法です。

 

②モデルからの視点
例えば、「モナ・リザ」のモデルの背後に観察者の視点があったとして、レオナルド・ダ・ヴィンチはどんなアトリエに居て、どんな服を着て、どんな姿勢、表情で描いていたでしょうか。

 

2.追加する

既存の作品に何かを足しても単なる二次創作にしかならないので、それだけではなく、別のモチーフや構図を取り入れることで、まったく違った作品にできます。

例えば、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」。
これの背景をもっと明るくして何かを加えるとしたら、あなたなら何を描きますか?
すぐに思い浮かべるのは同じくフェルメールの「牛乳を注ぐ女」みたいに左上の窓から穏やかな光が射している構図かもしれませんが、そこから離れてみると面白くなるかもしれませんよ。

 

3.引く、取り除く
4.分解する、分離する
5.強調する、誇張する

発想法、アイデア、ヒント、ペダルなし自転車

何かを取り除く、または分解し、既存の部分を大きく取り扱うことで、既存のものとは違ったテーマにできることがあります。

身の回りの例)
散髪 ― シャンプと髭剃り =1,000円カット
事務机 ― 引き出し    =アドレスフリー
幼児用自転車 ― ペダル  =ストライダー
似顔絵は顔のパーツを強調したもの

光と影の強調:陰の暗さと広さにより光を強調した画家として、レンブラントやカラバッジョ、ベラスケスなどが挙げられます。
→ 印象派みたいな平和で穏やかな色彩の画面を全体的にぐっと暗くして、一部にだけ光を当てて再構成するという方法が考えられます。

 

6.置換する、入れ替える

モチーフをまったく別のものに置き換えるけど、構図はそのまま拝借すれば、気づかれずに結構いいじゃんなんて褒められるかもしれませんよ。
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」の構図を拝借して、まったく別のモチーフを描くというのも一案ですが、あまりに有名なのでバレそうな場合は左右反転すれば、どうでしょう。
例えば、遠くに見える五重塔や東京スカイツリー、そして手前に生い茂る木々や葉っぱのトンネルを通して見る構図が考えられます。

 

7.常識、固定観念を壊す

自分が目にしたものを片っ端から、形や機能、使い方を変えてみてください。
例えば、スマホ。板みたいに薄くて、細長くて、手のひらサイズが一般的ですが、これをウェアラブルにするだけでなく、丸型にしたり、輪っかにしたり、紐状にしたり、ペン型にしたりしてみます。
コスパや機能的には疑問ですが、技術的には可能なはずです。

自動車は否定的に見たら凶器にもなりますが、必要な人には無くてはならない道具ですし、ノマドの人からしたら動く家になります。
さらにノマドに関して言えば、固定された勤務場所を持たない働き方は昔は薬売りや旅芸人などごく一部でしたが、今は少しずつ一般的になってきました。

これから先、将来の価値観の変化を予想して絵にするのは難しいですが、これまでの変化をテーマにして描くのはまだハードルが低いのではないでしょうか。

 

8.反対にする

上下を逆にする、左右反転、表裏を反対にする、男用と女用を入れ替える……等

 

9.回転させる

縦回転、横回転などモチーフを動かす方法もあれば、画面全体を回転させる方法、視点を回転させるのもあります。
俯瞰(ふかん:上から見下ろす)というのもあります。

 

10.動きを加えてみる

モチーフ自体に動きを加える方法もあれば、動きのあるモチーフを追加で描く方法もあります。

例えば、リンゴやパンなどの静物に、牛やラクダの置物を加えるだけでも、雰囲気は変わります。
また風に揺れるカーテン、風鈴、たなびくスカート、長い髪、煙、流水、滝、波……などの実際に動いているものもあります。

人のポーズでいえば、歩いている人の片足を上げた状態、ジャンプする直前、両手を広げて喜ぶ人(不満げな人)、ダンスや格闘の一場面……などがあります。
人物はポーズだけでなく、アオリ(下から見上げる)や俯瞰(ふかん:上から見下ろす)だけでも画面に動きが出てきます。

 

まとめ

テーマが見つからなくて行き詰まったときは、すべてをゼロから創造するのは厳しいので、好きな作品のモチーフを徹底的に入れ替えてみたら、突破口が見つかるかもです。
その際、リスペクトを潜ませておくと、分かる人が見たらニヤリとしてくれるかもしれません。

 

補足
もう少し発想法を調べてみたい方は別の記事もあるので、よかったら読んでいってください
→「絵のテーマを見つける発想法①
→「絵のテーマを見つける発想法③ 矛盾語法

 

               (以上です)

 

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