この記事ではモチーフ探しで困っている人に向けて書いてみました。
デッサンなどの観察して描くモチーフではなく、この世に存在しないものなどを想像で描く場合、新しいテーマを探している場合などを想定しています。
何を描いたらいいか分からない、何も思いつかないというときに役立つかもしれない発想法を3つ紹介します。
この記事で説明する項目の一覧です。
1.一部入れ替え法 |
それでは個別に解説していきます。
1.一部入れ替え法
既存のものに着目して、その構成要素の一部を別のものにズラす方法です。
例えば、カラオケは、歌の伴奏+マイク+スピーカーで構成されています。
歌の伴奏をネイティブの英語に置き換えてみてはどうでしょうか。
カラオケの自動採点みたいに発音をチェックしてくれるシステムがあれば面白いですよね……と思ったら、もう開発されていたみたいです ^^;
でも、この一部だけ入れ替えるという方法は絵にも応用できます。
絵であれば、モチーフや背景を別のものする、構図だけ真似る、背景だけ借りてきて自分の好きなモチーフを主役にする……などが考えられます。
ゼロから考えるのではなく、一部だけ拝借する方法です。
ゴッホの「種まく人」「黄色い空と輝く太陽のオリーブ林」にあるようなギラギラした太陽を借りてきて、ビーチでのんびり寛ぐ人を描くと、ジリジリ焼かれている感じが伝わってきます。
でも、それだけだと「そのまんま」で面白くないので、ビーチでお金持ちそうな気楽に見える人が困ったような、不安げな表情をしていると、何だろうと気になって考えてしまいますよね。
生涯売れない画家だったゴッホのタッチで金満の人々を描くのは物凄く違和感があるかもしれませんが、だからこそ挑戦しがいがあるかも……。
いや、どうかな ^^;
2.ムリやりくっつけ法
言葉を辞書やネットから拾ってきて、なかば無理やり組み合わせて一つのテーマを作るものです。
しりとりで出てきた言葉を組み合わせて、テーマが浮かぶまで絶対に席を立たないと決めるなどもいいでしょう。
例えば、『しりとり→リス→スイカ→かめ→メガネ→ネコ→腰→シナプス→ステージ』という言葉が連想されたとして、『リスとシナプスとステージ』を組み合わせたら、どんな絵になるんだろうと想像するところから始めます。
リスの見る夢なのか、リスの視点から見た世界なのか、リスがステージと捉えるものはどこでどんな状況なのか……など、発想は広がります。
3.反常識法
世の中の人が一般的に考えるイメージの逆を書き出して発想するという方法です。
例えば、絵という言葉を聞いて、すぐに思い浮かべるものは次のものがあるのではないでしょうか。
『二次元、動かない、紙かキャンバスに描く、具象か抽象、鉛筆や絵の具を使う、アナログとデジタル、上手い・下手・下手ウマ、鑑賞目的、所有できる……』など。
これらを破る、もしくはひっくり返すと、次のようなものが考えられます。
- 三次元空間(例えばダンボールの内側)に描いて、頭を突っ込むか被るかして鑑賞する
- 固まってなくて時間と共に動く(動くことがコンセプトであり、決して未完成ではない)
- 紙の両面に描く(表と裏を同時に鑑賞できない。どうしても同時に見たいなら鏡に移して見る。すると見ている人も作品の一部になる)
- 紙やキャンバスをわざと曲面にする。繋げると360度のパノラマになる。または大きな球面に平面の紙やキャンバスを貼り付けていく。
- 具象だけど抽象的→具体的な物体を描写しているが、この世にある物ではなく、何かを象徴している。
- 抽象的だけど具象→何を描いているか一見して分からないが、よく見ると具象が浮かび上がってくるものの、人によって見え方が違う
※もう既に作品として世に出ている可能性もありますが、とりあえずココでは思いつくまま挙げてみました。
考え出すとキリがないのでこれくらいにしておきますが、常識を壊してみると考えたら、挑戦しがいがありませんか?
まとめ
絵の練習のためのテーマ探しというより、アート的な新しいものを創造するというときに役立つかもしれない方法を挙げてみました。
まったくキッカケのないところから、まったく新しいものを創造するのは難しいので、何かを足がかりに派生させたり、反転させたり、一部を入れ替えたりしてみるといいでしょう。
また、あんまり自分を追い込まないで気長に待っていたら、ふと思いついたりもするので、そのときは握りつぶさずにメモ帳にでもササッとラフを描いてみましょう。
意外と傑作のヒントになるかもですよ。
補足
絵の練習のためのテーマ探し、モチーフ探しで行き詰まっている人には以下の記事がお役に立てるかもしれません。
よかったら読んでみてください。
→「絵で何を描けばいいのか分からない、何を描くべきか」
(以上です)